【TOEFL Primaryとは?】英検とここが違う!内容やスコアを解説します。
TOEFL と名の付くものはいくつかありますが、今回は「TOEFL Primary」のStep 1とStep2を紹介します。
TOEFL Primary は、TOEFL のファーストステップとして小中学生向けに作られたテストです。
「テストの内容や形式は、英検とはどんな風に違うの?」
「TOEFL Primary のこのスコアは、英検だと何級なの?」
という方も多いと思うので、テスト形式やスコアについても英検と比較しながら詳しく解説します。
最後に、名前の似ている TOEFL Junior Standard や他の英語の試験も紹介します。
TOEFL Primary とは? TOEFL との関係は?
まず、TOEFL とは英語を母国語としない人向けのテストです。
TOEFL はトフルとかトイフルとか読む人もいるようですが、正しくはトーフルと読みます。がんばって英語に寄せてカタカナ表記するとトォッフォォという感じになります。
その TOEFL と名の付くものはいろいろあって、簡単な順に
- TOEFL Primary Step 1
- TOEFL Primary Step 2
- TOEFL Junior Standard
- TOEFL ITP
- TOEFL iBT
という種類があります。
通常、TOEFL というと TOEFL ITP または TOEFL iBT を指します(ITP は企業や学校などで実施、iBT はテストセンターで実施)
今回紹介するのは TOEFL Primary(Step 1とStep 2)です。
公式サイトによるとそれぞれ対象は、
- Step 1:英語初級学習者
- Step 2:英語で多少のコミュニケーションができる学習者
となっています。Step 1 が簡単な方です。
Step 1 とStep 2 は難易度が違うだけで、形式は同じです。
また、「Step 1 を合格していないと、Step 2 を受験できない」ということもありません。いきなりStep 2を受けてもOKです。
英検との違いは?
Step 1・Step 2 共通で、英検と違うのは以下の点です。
- リーディング30分、リスニング30分の試験(英検は受験級により異なる)
- 問題文もすべて英語(英検は2級以下なら問題文は日本語)
- 回答方法はマークシート3択(英検は4択)
- 結果は合否でなく「スコア」で通知(英検は合否あり)
英検では、試験時間は級によって異なります(5級なら「筆記25分・リスニング22分」ですが、1級では「筆記100分・リスニング35分」です)これに対し、TOEFL Primary は Step 1・Step 2 のどちらも「リーディング30分、リスニング30分」のみです。
また、英検では3級以上で二次試験(スピーキング)がありますが、TOEFL Primary にスピーキングテストはありません。
英検の2級以下は問題文が日本語ですが、TOEFL Primary ではすべて英語で指示が出されます。
回答方法に関しては、英検と同じくマークシートですが、英検と違い3択です(英検は4択)
そして、英検のように合否が出るのではなく、スコアが出ます。
TOEFL Primary 受験後に通知されるスコアと配点は、
- Step 1:218点満点(リーディング・リスニング各109点)
- Step 2:230点満点(リーディング・リスニング各115点)
0点~100点のように単純なつけ方ではないので「なんだかよくわからない」と感じてしまいますね。
このあと詳しく見てみましょう。
このスコアは英検の級で言うとこのくらい
おそらく多くの日本人にとって、一番なじみのある試験は「英検」でしょう。
そのため、
「TOEFL Primary のスコアは英検で言うと、何級くらいのレベルなの?」
と考えることが多いと思います。
以下の表は、「TOEFL Primary の公式ページ」と「実用英語技能検定の公式ページ」を元に作ったものです。
一見複雑ですが、例を挙げて解説しますのでゆっくり読み取ってみてください。
CEFR | TOEFL Primary Step 1 | TOEFL Primary Step 2 | 英検 |
---|---|---|---|
C2 | 算出不可 | 算出不可 | 算出不可 |
C1 | 算出不可 | 算出不可 | 1級 |
B2 | 算出不可 | 算出不可 | 準1級~1級 |
B1 | 算出不可 | 227-230 | 2級~準1級 |
A2 | 212-218 | 212-227 | 準2級~2級 |
A1 | 204-211 | 204-211 | 3級~準2級 |
A1未満 | 200-203 | 200-203 | 5~4級 |
【参考】TOEFL Primary 公式ページ
【参考】実用英語技能検定公式ページ
左側のCEFRというのは、英語のレベルを表しています。
今回のように「種類の違う英語の試験」を比較するときによく使われます。
表の見方を説明します。
例えば表の下から3行目(CEFR A2)を横に見てください。
- 「TOEFL Primary Step 1」でスコアが218(Step1で満点)ある人の場合、
- Step2を受験したら212-227くらいスコアが取れるかも
- 英検だと準2級~2級くらいのレベル
……ということになります。
もちろん、試験の形式から何から全くの別物なので、
「英検は2級を持っているのに、Step2を受けてみたら210しか取れなかった!」
ということも起こらなくはないです。
それぞれの試験に合った勉強方法が必要だということを忘れないでください。
勉強方法/問題集
勉強に使う参考書ですが、公文から問題集が出ています。
また、公文では TOEFL Primary や、もう少しレベルが上の TOEFL Junior Standard の受験を強く勧めています。
TOEFL Primary について調べると、公文のページがよく出てくるので
「TOEFL Primary は公文を通さないと受験できないのか?」
とか、
「公文をやっていないと問題集が購入できないのか?」
とか
思ってしまうかもしれませんが、大丈夫です。
個人で申し込みができ、また、問題集もアマゾンで買えます。
問題集はこちら。
ちなみに公文で英語を選択した場合、専用のリスニング教材(音声ペン)の購入が必須です。
TOEFL Primary 等の受験にかなり力を入れていることが伺えます。
「塾で英語を勉強したい」という場合は、公文も検討してもいいでしょう。
「塾なんか行かずに1人でがんばるぞ!」という場合は上記の問題集を買うか、このあと解説するサンプルをじっくり見ておきましょう。
サンプルテスト解説
では、リーディングとリスニングに分けサンプルテストを見てみましょう。
※カッコの中は、それが出題されるレベルです
Reading リーディング
- 絵を見て、一致するものを選ぶ問題(Step 1)
絵が何を表しているのかを答えます。
雨が降っている絵があって、A.Rain / B.Wind / C.Sun となっていたらAを塗りつぶします。- 文章を読んで、それを表す単語を答える問題(Step 1・Step 2)
「勉強するところはどこ?」⇒「学校(a school)」という感じです。
- 表を見て答える問題(Step 1・Step 2)
全て表の中に答えはあり、難しくはありません。
ただ、小さな子の場合「そもそも表の見方がわからない」ということがあるので、受験前に慣れておきたいところです。- 手紙や説明文など、まとまった文章を読んで答える問題(Step 1・Step 2)
Step 1の問題はそこまで長文というほどでもなく、身構える必要はありません。
混乱させるような選択肢もないので、落ち着いて読めば大丈夫です。Step 2ではもう少し長めの文章になり、ちょっと焦るかもしれません。
ただ、サンプルを事前に見ておけば、問題文の方を先にざっと読んでから本文を読むなどのコツはつかめると思います。
Step 2では長文読解の問題数がStep 1よりも多めです。
Listening リスニング
- 読み上げられたものに当てはまる絵を選ぶ問題(Step 1・Step 2)
答えの選択肢も「絵と記号(A~C)のみ」で、単語などは一切書いてありません。
- 会話として成り立っているものを選ぶ問題(Step 1)
名前を聞かれているのに「Yes!」とか返答しているとだめですよ、というものです。
こちらも「返答している言葉」の記載はありません。音声のみです。- 会話やアナウンスを聞いて、書いてある質問に答える(絵は無し)(Step 1・Step 2)
流れる音声は少し長めですが、問題文と答えの選択肢の記載があるので読みながら聞きましょう。
- スピーチなどを聞いて複数の問題に答える(Step 2)
1つのスピーチに対して3~4問が出されます。
問題文も選択肢も記載されています。
Step 1 と比べると、Step 2 は単純に長めの文章になっているという感じです。
話すスピードは Step 2 も Step 1 と同じくらいなので、集中していれば問題ないと思います。
申し込みについて
先ほど少し触れた通り、個人で申し込みが可能です。
ここから日程確認や申し込みに進めます。↓
https://gc-t.jp/test/personal/
まずはアカウントを作る必要があるみたいですね。
そうするとマイページができるので、そこから申し込むようです。
試験日から約2週間後に、ウェブ上でスコアが確認できるので便利ですね。
こんな人におすすめ!
海外の大学に進学するなら、TOEFL のスコア提出が必要となります。
かといっていきなり TOEFL を受験すると、あまりの専門用語の多さに打ちのめされてしまうので、TOEFL Primary で、小さなころからテストの形式にだけでも慣れておくのはいいと思います。
また、英検と比べると全体的に扱うトピックが子供にも親しみやすいというのは、大きなポイントです。
例えば英検では級が上がるほど政治やビジネスに関するトピックが増えてきて、いくら英語力があっても、小学生にはつらいものがあるかと思います。
一方、「TOEFL Primary」では「学校での会話」「授業中の先生の話」などを扱い、その上で Step 2 では英検2級レベルまでカバーしています。
「英語力はそこそこ自身があるけど、まだ子供だから英検だと内容がちょっと……」
という場合は TOEFL Primary の受験も検討してみてはいかがでしょうか。
その他の子供向け英語資格
TOEFL Primary STEP2 で高得点を取れるようになったら、TOEFL Junior Standard などもう少しレベルの高い試験をおススメします。
TOEFL Primary と比べて、TOEFL Junior Standard ではリーディングがかなり長くなり、通常の TOEFL にぐっと近づいています。
その他にも英語資格いろいろ見たい人はこちら。
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