【新学習指導要領】で小学校英語が変わる! 2020年度からの教科書はどれ?

【新学習指導要領】で小学校英語が変わる! 2020年度からの教科書はどれ?

小学校の学習指導要領が改訂され、外国語教育(英語)の授業は2020年度から大きく変わります。

2018年ごろから変わる変わると言われて、なんとなく知っていても

これまでと比べて、具体的には何がどうなるの?

と、イマイチよく分からないですよね。確認してみた方は分かると思いますが、文部科学省のページって、やたら見辛いんです!!

この記事では、新しい「小学校の英語」がどんなものなのか、これまでと比較しながら分かりやすく解説しています。また、「どんな教科書を使うのか」「今から家庭でどう対策するべきなのか」といったことにも触れています。

子供たちがスムーズに学習できるよう、まずはご両親が正しい情報を把握していきましょう。
※この記事では英語以外の教科に関しては触れていません。


小学校の新学習指導要領について

小学校の学習指導要領は、2017年3月31日に改訂されました。新学習指導要領の「実施」は2020年度です。そしてその移行期間が2018年度から始まっていました。

数字と漢字がいっぱいで分かりづらいですね! もう少し人間っぽく言うと……

ちょっと前から「学校教育、変えるぞ~変えるぞ~」という計画はありました。でも、いきなり「2020年になったよ、学校の教育はこうするよ、はいスタート!」と言われてもみんな困ってしまうので、2年かけて準備していきましょうね、という準備期間があったんです。それが2018年度からの「移行期間」です。

まずは、この移行期間を含め「これまでの小学校の英語はどうだったのか」を確認しましょう。

いままでの「小学校の英語」

前までは、小学校での英語というのは5年生からであり、「外国語活動」の時間として設定されていました。文法や読み書きといった複雑なことはせず、どちらかというと「なんとなく英語に触れて、楽しくやろうよ」という時間でした。

「小学校で英語が導入されたぞ!」といっても、成績も付かないのでのんびり構えていられました。

さて、これが新学習指導要領の登場によって、2020年度から変わることになりました。「外国語活動」は小学3年生からスタート、そして5年生からは英語を「正式な教科」にしてしまいます。教科になるということは、成績がつくということです。

ここで「急に始めると大変だよね。だから先生も子供たちも2018年度から準備しといてね」という移行期間(準備期間)がやってきます。

移行期間(2018年度~2019年度)について

小学校の新学習指導要領によってまず最初に影響を受けるのは、2018年度に小学3年生以上になった子供たちです。その後、2019年度以降に3年生~6年生になった子供たちも徐々に新学習指導要領に染まっていきます。

2018年度~2019年度はまだ移行期間なので、本格的に始まるというわけではありません。5年生・6年生であっても、まだ英語は「正式な教科」ではないので成績はつきません。

でも、文部科学省は「これから」のために新しい英語の教材を作りました。それが「Let’s Try!(3~4年生向け)」と「We Can!(5~6年生向け)」です。
新学期に、3年生~6年生の子供たちがいきなりこの教科書を持って帰ってきて、「あれっ、2020年度からじゃなかったっけ!?」と、びっくりしたパパとママも多いのではないでしょうか。

この「Let’s Try!」と「We Can!」は移行期間中(2018年度~2019年度)に使えるようにするための「補助教材」という位置づけで、正式に定められた教科書ではありません。なので、移行期間後(2020年度以降)は基本的には使用しません。教科書については後でまた詳しく説明します。

2020年度からの小学校英語

移行期間を終え、2020年度からはいよいよ「新学習指導要領の実施」となります

3~4年生・5~6年生に分けて「授業で何をするのか」を説明します。

3年生・4年生の授業

2020年度に小学3年生・4年生になった子たちには「外国語活動(英語)」の授業があります。これは、今まで小学5年生・6年生が行ってきたものです。

正式な教科ではありませんので、成績も付きません。

3年生・4年生の外国語活動は、基本的には「聞く」「話す」がメインです。友達同士で英語であいさつの練習をしたり、カードなどを使ってゲームをしたり、身近な人との「やりとり」を通して英語に触れていきます。

文部科学省の文書によると、3年生・4年生での目標はこのようになっています。

言語を用いて主体的にコミュニケーションを図ることの楽しさや大切さを知ること。
日本と外国の言語や文化について理解すること。

小学校学習指導要領 比較対照表より一部を抜粋

英語の音やリズムに慣れ親しみながら、異文化についても学んでいきます。

5年生・6年生の授業

一方、2020年度に5年生・6年生になった子供たちは正式な教科として英語の授業を受けていくことになります。算数や国語と同じように成績がつきます。

「聞く」「話す」に加え、「読む」「書く」も必須になってきます。ゲーム要素はかなり減り、普通の授業っぽくなります。

5年生・6年生の指導の目標は以下の通りです。

実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身に付けることができるよう指導する。

小学校学習指導要領 比較対照表より一部を抜粋

3年生・4年生で培った知識や経験を活かしつつ、さらに読み書きの技能も身に付けることで総合的なコミュニケーション能力を磨いていくという方針です。


どの学年の目標も、「コミュニケーション」という言葉のせいでふわっとしてしまっていますが、学習内容をもっと具体的に言うと……

  • 3年生~6年生の間に600~700語程度を扱う
  • アルファベットの大文字・小文字を書けるようにする
  • “Thank you.” “Excuse me.” などの慣用表現を習得
  • 肯定文・否定文・疑問文(疑問詞を含むものも)・過去の表現を扱えるようにする

これが小学校の英語の目標です。これまで、中学1年生の英語の授業で最初にやってきたようなことを、小学校卒業までにやってしまうのをイメージするといいかもしれません。

※上記は文部科学省の「小学校学習指導要領 比較対照表」を元にしています。かなりざっくり抜き出していますので、もっと細かく見たいという場合は以下のページの「学校学習指導要領 比較対照表(PDF)」で確認してみてください。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384662.htm

小学校の英語で使う教科書は?

次は、どんな教科書を使うのかを紹介します。ここでも3~4年生・5~6年生と分けて見ていきましょう。

3年生・4年生の教科書

3年生・4年生の英語は教科ではないので、教科書についても「これを使え!」と文部科学省から定められたものはありません。

引き続き、3~4年生向けに作られた補助教材「Let’s Try!」を利用する学校もありますが、これは地域・学校により変わってきます。

「Let’s Try!」はこんな教材

文科省が作った「Let’s Try!」がどんな教材なのか興味があったので、実際に購入して中身を見てみました。

Let’s Try!
Let’s Try! 1

まずは、「Let’s Try! 1」で学習する内容(小学3年生向け)を目次でご紹介します。

  • Unit 1: Hello! あいさつをして友だちになろう
  • Unit 2: How are you? ごきげんいかが?
  • Unit 3: How many? 数えてあそぼう
  • Unit 4: I like blue. すきなものをつたえよう
  • Unit 5: What do you like? 何がすき?
  • Unit 6: ALPHABET アルファベットとなかよし

基本的なあいさつ表現食べ物スポーツアルファベットを6つのユニットでカバーしています。まだこの時期に読み書きは本格的には習わないので、アルファベットは準備の意味で入れているのかと思います。

各ユニットは、以下の流れで進みます。

  1. 映像で情報を得る
  2. 音声を聞いて理解度チェック
  3. 「話す」やりとりをクラスの仲間と実践する
【Let’s Try! 1】カラフルでかわいらしいイラスト

全体的にカラフルでかわいらしいイラストが使用されています。
本の最後には切り取り線つきの絵カードがついているので、恐らく絵カードを授業中に使いながら友達とコミュニケーションの練習をするんでしょうね。

Let’s Try! 2

続いて、小学4年生向けの教材、「Let’s Try! 2」の目次はこちらです。

  • Unit 1: Hello, world! 世界のいろいろなことばであいさつをしよう
  • Unit 2: Let’s play cards. すきな遊びをつたえよう
  • Unit 3: I like Mondays. すきな曜日は何かな?
  • Unit 4: What time is it? 今、何時?
  • Unit 5: Do you have a pen? おすすめの文房具セットをつくろう
  • Unit 6: Alphabet アルファベットで文字遊びをしよう

世界のあいさつ遊び曜日時間文房具アルファベットを6つのユニットでカバーしています。「Let’s Try 1」同様、アルファベットは読み書きが始まる小学5年生へ向けての準備です。

ユニットごとの流れは「Let’s Try! 1」と同じです。

英語だけでなく、様々な国の挨拶を学ぶところからスタートしていて、いかにグローバル化社会を意識した構成かということがわかります。

【Let’s Try! 2】様々な国の挨拶を学ぶところからスタート

アクティビティも多く含まれていて、例えば小学3年生の時に「Let’s Try 1」で学んだ「What do you like?(何がすき?)」のフレーズを再度使って練習するパートもあります。
3年生でインプットしたことを4年生で実践するという形式ですね。

同じく本の最後には切り取り線つきの絵カードがついていますので、3年生に引き続きゲーム感覚で英語に触れていくのがメインだと思います。

5年生・6年生の教科書

さて、何度も触れていますが5年生から英語は正式な教科となります。そのため、文部科学省から「教科書はこの中から選んでねリスト」が各学校に渡されます。

2019年度まで5~6年生が使っていた「We Can!」は、あくまで「補助教材」という位置づけなので、このリストには含まれていません。

2020年度から小学5年生・6年生が使用する英語の教科書は以下のうちのどれかです。

いずれの教科書も、移行期間中に使用されていた「We Can!」を参考にして作られています。

「We Can!」はこんな教材

「We Can!」の方も購入してみました。移行期間用の教材なので、もう使っている学校はないかもしれませんが、参考までにどうぞ。

We Can!

We Can! 1」「We Can! 2」で学習する内容をまとめて目次でご紹介します。

We Can! 1
  • Unit 1: Hello, everyone. アルファベット・自己紹介
  • Unit 2: When is birthday? 行事・誕生日
  • Unit 3: What do you have on Monday? 学校生活・教科・職業
  • Unit 4: What time do you get up? 一日の生活
  • Unit 5: She can run fast. He can jump high. できること
  • Unit 6: I want to go to Italy. 行ってみたい国や地域
  • Unit 7: Where is the treasure? 位置と場所
  • Unit 8: What would you like? 料理・値段
  • Unit 9: Who is your hero? あこがれの人
We Can! 2
  • Unit 1 This is ME! 自己紹介
  • Unit 2 Welcome to Japan. 日本の文化
  • Unit 3 He is famous. She is great. 人物紹介
  • Unit 4 I like my town. 自分たちの町・地域
  • Unit 5 My Summer Vacation 夏休みの思い出
  • Unit 6 What do you want to watch? オリンピック・パラリンピック
  • Unit 7 My Best Memory 小学校生活・思い出
  • Unit 8 What do you want to be? 将来の夢・職業
  • Unit 9 Junior High School Life 中学校生活・部活動

3年生・4年生で使っていた「Let’s Try」と比べると、ユニット数は倍近くになり、内容もより濃いものになっています。

ユニットごとの流れは、以下の通りです。

  1. 映像で情報を得る
  2. 音声を聞いて理解度チェック
  3. 「話す」やりとりをクラスの仲間と実践する
  4. クラスの前で自分のことや考えを発表する

3つ目の「話すやり取り」までは4年生までで行っていたことと同じです。ここに4つ目の「発表」が加わります。5年生・6年生では、この「発表」が大きなポイントになっています。

【We Can!】「発表」がポイント

例えば、住んでいる町のことや自分自身のことを友達に紹介するというアクティビティもあります。他人の自己紹介を聞いて、好きな動物、スポーツ、教科、誕生日などを書き出す練習もします。

英語はあくまでコミュニケーションのツールです。新学習指導要領では、英語という言語を学ばせるだけではなく、これまで以上に国際理解を深め、自分の考えを相手に伝え、相手の考えを受け入れるということに重きを置いているようです


新学習指導要領で求められる学校側の対応

ところで、英語が正式な教科として加わり、「ひええ~><」となっているのは子供たちや親御さんだけではありません。小学校の先生もかなりあせっています。

小学校の先生に英語が教えられるのか授業の時間をどう取っていくのかが学校側の課題となっています。

英語を教える先生について

中学校には、それぞれの教科を担当する先生がいます。ですが、小学校は基本的にすべての教科を担任の先生が教えますよね。

そこでこの度、小学校の先生たちが困るのが「えっ、私も英語教えないといけないの?」ということです。中には、たまたま英語が得意な先生もいるかもしれませんが、「発音とか無理なんですけど!!?」って先生もいるはずです。

2020年度以降、小学校での「英語の授業の担当」は以下のようになっています。

【英語の授業をする先生】

  • 3年生・4年生 ⇒ 担任の先生
  • 5年生・6年生 ⇒ 担任の先生 + 専門の先生

いずれの学年も、上記に加えALT(Assistant Language Teacher)と呼ばれる助手も、(これまでの5~6年生と同じように)活用していきます。

ただ、5年生・6年生に関しては成績をしっかりつけないといけないので、担任の先生(と助手)だけではとてもやってられません。なので、英語を教える専門の先生も授業を行います。

もちろん、担任の先生もそちらに任せっきりではありません。英語の研修を受けます。

担任の先生が研修を受けるまでの流れとしては……

  1. まず各都道府県から選ばれた教員が研修を受け、「英語教育推進リーダー」となる
  2. 「英語教育推進リーダー」となった教員が各地域で「中核教員研修」を行う(中核教員研修には各学校から1名が参加)
  3. 中核教員研修に参加した1名が、自分の学校の他の先生に内容を伝える

という、高度な伝言ゲームのような形式になっています。小学校の先生たちも大変ですね……。

英語の授業コマ数の確保について

小学校で英語の時間をどのくらい確保しなければいけないのか、これは決められています。

【英語の授業数】

  • 3年生・4年生 ⇒ 年間35コマ
  • 5年生・6年生 ⇒ 年間70コマ

(1コマ=45分)

これまでは、5年生・6年生が「年間35コマ」だったので2倍になっています。

「じゃあ、他の教科の時間を減らして調整するか、学校の時間が長くなるの?」と思うかもしれませんが、違います。

学校で過ごす時間はそのままで、英語35コマだとか70コマだとかを時間割にねじ込む必要があります。具体的に言うと、昼休みやクラブ活動、朝のホームルームの時間を削って入れていく方針です
グローバル化に対応した英語教育改革実施計画参照

7時間目とかを作ってしまった方が効率はいい気はするんですけどね……。子供が帰る時間が遅くなるのでダメなんでしょうか。

「小学校の英語」を変えるのはなぜ?

小学校での英語教育が変わる理由としては、「早い段階からの異文化理解」というのもありますが、それだけならテレビや本をうまく使い、海外への興味を持たせることはいくらでもできるはずです。

新学習指導要領の登場は、また別の課題も理由の一つになっています。

これまでの小学校での英語(5年生・6年生)というのは、音声中心で学んでいくスタイルでした。ですが、「中学校に入り『読み・書き』の文字学習が急に始まることで、スムーズに移行することが難しい」というのが課題でした。

そこで、もう少し前倒しして小学校中学年(3年生・4年生)の段階から、音声中心の学習をスタートさせることにしました。これは、これまで5年生・6年生がやってきたことです。

文字学習、つまり「読み書き」は、5年生・6年生でスタートさせることになりました。

小学生の間に「中学校での文字学習へ接続するための準備」をするという方針になったのです。

よって、変わるのは小学校の英語だけではありません。中学校・高校での英語のレベルも必然的に引き上げられます。大学入試・センター試験の形式や難易度についても、様々な議論が交わされています。

受験生を騒がせた英語民間試験延期のニュースも、記憶に新しいのではないでしょうか。

4技能(読む・書く・聞く・話す)をもっとバランスよく学ばせないとだめだ!」という考えを元に、日本の英語教育は変わろうとしているのです。

家庭での対策について

最終的には大学入試にまで影響してくるとなると、「小学校の英語なんて、どーせお遊び程度でしょ」「中学校でまた0からやるんでしょ」とのんびり構えてはいられなくなりました。

これまで、中学校に入ってからのんびり覚えていたアルファベット、Hello、Thank you……「知っていて当然」というところからスタートします。

学校の授業だけで充分ついていけるという子もいるでしょう。
ですが、「学校側の対応」のところで書いた通り、どうにかこうにかねじ込まれた英語の授業ではイマイチ……という子もたくさんいると思います。

そんな時は、学校外でのサポートが必要となるかもしれません。家で何かしらの教材を使ったり、塾やオンラインのツールも役に立つでしょう。

当サイトでも様々な学習方法を紹介していますので、よければ参考にしてみてくださいね。

まとめ

2020年度からの「小学3年生・4年生の英語必修化」「5年生・6年生の英語の教科化」についてお伝えしました!

中学校での英語学習へスムーズに移行していくために、そしてグローバル化社会で生き抜く国際的な人材を育成していくために小学校の英語教育は前倒しされることになりました。

  • 3年生・4年生にも英語の授業はあるが成績は付かない
  • 5年生・6年生では読み書きも必須となり、成績も付く
  • 使用する教材は地域・学校により異なる
  • 5~6年生の英語の授業は「担任の先生 + 専門の先生」で行う
  • 英語の授業時間が増えたため、コマ数は昼休みなどを削って確保される

これからは小学校の「外国語」の授業において、英語という言語を使って異文化を学んだり、自分の意見をしっかりと伝えたり、相手のことを理解することが重要視されます。

まだ幼い未就学児のお子さん達にも必ず影響してくる話なので、少しでも参考になったのであれば幸いです。


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【新学習指導要領】で小学校英語が変わる! 2020年度からの教科書はどれ?” に対して1件のコメントがあります。

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