【TOEFL ジュニアとは?】どんな資格?英検の級に換算すると?
「トーフルにはジュニアとかプライマリーとか、種類多すぎない!? どれがどれ?」
そう、TOEFL(トフルでもトイフルでもなく、トーフル)にもいろいろあるんです。
とくにジュニアとプライマリーに関しては、同じものなんじゃないか、とか、レベルが高いのはどっち? と混乱することが多いと思います。
今回紹介するのはトーフルのジュニア(TOEFL Junior Standard)の方です。
プライマリーとの違いや、英検とのレベル比較、ジュニアの過去問(サンプル)解説もしていきます。
また、最後の方に補足として「そもそも TOEFL 高得点獲得を目指すべきなのは、どんな人なのか」も説明しています。
ジュニアとプライマリーの関係
今回のメイン、TOEFL Junior Standard(トーフル ジュニア スタンダードと読みます)を仲間と一緒に並べてみます。
- TOEFL Primary Step 1
- TOEFL Primary Step 2
- TOEFL Junior Standard
- TOEFL ITP
- TOEFL iBT
上から簡単な順になっているので、レベルとしては TOEFL Primary Step 2 よりも難しく、TOEFL ITP / TOEFL iBT よりはやさしい試験といったところです。
※TOEFL Primary についてはこちらで説明しています。
TOEFL Junior Standard は、一般的な「TOEFL」へ橋渡しとなるテストとして中高生向けに作られたものです。
「プライマリー(TOEFL Primary)から1つレベルが上がっただけか~」と感じるかもしれません。たしかに順番としてはそうです。
しかし実際は「TOEFL Primary の Step 1 ⇒ Step 2」のような「レベル1つ分」とは比べ物にならない差があります。
これから説明するレベルのことや、サンプル解説を読んでいただければ「プライマリーの次のレベル」というよりは「トーフルジュニアは通常のトーフルの一歩手前なんだ!」という感覚になるはずです。
レベルはどのくらい?
合否ではなくスコアで結果が返ってくる・問題文がすべて英語という点は TOEFL Primary と同じですが、難易度・レベルは一気に上がり、通常の TOEFL にかなり近づきます。
プライマリーとの違い
問題の内容については後で詳しく解説しますが、ざっくり、TOEFL Primary ⇒ TOEFL Junior Standard でこのように変化します。
- マークシート3択 ⇒ 4択になる
- TOEFL Primary には無かった「文法・語彙」のセクションが追加される
- リーディングの文章がかなり長くなる
- 全体の試験時間も長くなる(60分 ⇒ 115分)
マークシート方式なのは変わりませんが、選択肢は4つになります。TOEFL ITP / TOEFL iBT と同じです。
また、「文法・語彙」のセクションが追加され、リーディングの文章量はかなり多くなります。
テストの構成と時間は以下のようになっています。
各セクションごとの配点は300点、ぜんぶで900点満点です。
リスニング | 42問 | 約40分 |
文法・語彙 | 42問 | 25分 |
リーディング | 42問 | 50分 |
試験時間は合計で115分となり、ほぼ半分がリーディングの時間です。
全ての問題を解くには短すぎる時間だと感じるかもしれません。ですが、試験後半で集中力も体力も確実にすり減っていきます。短いけど長い、長いけど短い時間です。
高得点を取るためには、いかに集中力を切らさないかというのがカギです。
これはあくまで私の感覚ですが、リーディングそれぞれの文章量は英検2級~準1級のそれと同じくらいだと思います。
英検の準1級ともなれば政治やビジネスなどのトピックも扱いますが、その点 TOEFL Junior Standard は中高生向けに作られたものなので、友達との会話や学校での出来事が主な題材になっています。「会社での会話」など中高生になじみのないものは出てきません。
英検の級に換算してみる
それでは今度は、TOEFL Junior Standard のスコアが英検でいうとどのくらいなのか、換算してみましょう。
各公式ホームページを元に作った表です。
念のため、TOEFL Primary のスコアも並べてあります。
CEFR | 英検 | TOEFL Junior Standard | TOEFL Primary Step 2 | TOEFL Primary Step 1 |
---|---|---|---|---|
C2 | 算出不可 | 算出不可 | 算出不可 | 算出不可 |
C1 | 1級 | 算出不可 | 算出不可 | 算出不可 |
B2 | 準1級~1級 | 850-900 | 算出不可 | 算出不可 |
B1 | 2級~準1級 | 745-849 | 227-230 | 算出不可 |
A2 | 準2級~2級 | 645-744 | 212-227 | 212-218 |
A1 | 3級~準2級 | 600-644 | 204-211 | 204-211 |
A1未満 | 5~4級 | 算出不可 | 200-203 | 200-203 |
【参考】TOEFL Primary 公式ページ
【参考】TOEFL Junior Standard 公式ページ
【参考】実用英語技能検定公式ページ
TOEFL Junior は、CEFR(英語のレベル)でいうとA1~B2までをカバーしています。
CEFR B2というと、英検では準1級~1級のレベルにあたります(表:上から3行目参照)
そのままCEFR B2の行を見てください。
「私はトーフルジュニアで850点取ったよ」
という人がいたら、その人は英検だと準1級か1級に受かるかもしれない、ということが分かります。
今度はCEFR A1の行を見てみましょう。
例えば「プライマリーのステップ2を受けたら、スコアが204だった」とします。
スコア204というとギリギリA1のレベル・英検で言えば3級~準2級なので、トーフルジュニアを受けるにはまだちょっと早いかな、というレベルです。
「かもしれない」とか「○級~○級」と表現があいまいになるのは、試験の種類が違うからです。必ずしもぴったり一致はしません。
試験の種類が違えば対策も変わり、それをするかによってスコアは大きく左右されます。
なので、英検で同レベルの級を持っていたり、プライマリーで満点近く取れたからと言って油断せずに、しっかり対策しておくことが大切です。
勉強方法/問題集
実は、TOEFL Junior Standard というのはまだまだ新しい試験です。
そのせいか、ちゃんとした日本語の解説付きの問題集はこれ一種類しか出ていません(2020年2月現在)
洋書であれば見つかりましたが、評判がイマイチなのでおすすめしません。
通常の TOEFL だったら、本当に色々出ているんですけどね……。探す手間が省けるのはいいことなのかもしれないです。
「これしかないなら、家にある英検の参考書で代用しようかな」
「なんか響きが似てる、トーイック(TOEIC)の本でもいいかなぁ」
と、もし考えていたとしたら、残念ながらそれは全く役に立ちませんのであきらめてください。 英検やTOEIC とはなにもかもが違うからです。
TOEFL ITP や TOEFL iBT の参考書を買って勉強した方が、まだ役に立ちます。
このあと紹介するサンプルも参考にしてみてください。
サンプルテスト解説
では、サンプルテストをセクションごとに見てみましょう。
Listening リスニング
TOEFL Primary のリスニングと比べると、1つ1つのスピーチが長く、話すスピードは若干速くなっています。文章を聞きながら、問題文と選択肢に目を通すテクニックが必要です。
- 会話やアナウンスを聞いて、書いてある質問に答える
問題文と答えの選択肢の記載があります。1つ聞いて、1つの質問に答える形式です。
- 長めのスピーチなどを聞いて複数の問題に答える
これも問題文・選択肢の記載はあります。
「トピックは何でしたか?」「この人は週末どこへ行くと言っていましたか?」
のように、1つのスピーチにつき4問程度出題されます。
Language Form and Meaning 文法・語彙
42問を25分で解かなければならないので、スピードも必要です。1問に1分もかけていては間に合いません。
- 穴埋め問題
数行の文章を読み、ところどころ抜けているところがあるので正しい単語やフレーズを入れます。
4択の中から正しいものを選ぶのですが、似たようなものが多いので「これだと思ったけど、こっちかな……?」のように惑わせてきます。
語彙力をしっかり付け、正しい文法のルールを確実に頭に入れておけば、自信をもって正解を選べるはずです。
Reading リーディング
TOEFL Junior Standard はとにかくリーディングが長いです。TOEFL Primary を受けたことがあっても、一切対策せずに行くと、ちょっとびっくりすると思います。
- 表を見て答える問題
TOEFL Primary にも似たような形式はありましたが、もっと詳しく聞いてきます。
- 長文読解
文字通り長文です。問題自体はそこまで難しいことは聞いてきませんが単純に文章が長いので集中力が必要とされます。
普段から本を読むなど、長い文章を読むことに慣れておいた方がいいと思います。
通常の TOEFL のように「歴史・自然・環境問題」関連が結構出ますので、そのような語彙を増やしておくこともおすすめです。
申し込みについて
以下のページから日程確認ができます。↓
https://gc-t.jp/test/personal/
まずはアカウントを作り、その後できるマイページから申し込みを行います(TOEFL Primary を受けたことがある場合は同じアカウントでログイン・申し込みができます)
こんな人におすすめ!
TOEFL Primary 同様、TOEFL Junior Standardも「いつか TOEFL を受けるつもりの人」向けの試験です。
必ずしも TOEFL Primary を通ってくる必要はありませんし、TOEFL Primary Step 2 でそこそこ点が取れるようになったら、そのまま TOEFL Primary で高得点を取ることに必死になるよりも、とっとと TOEFL Junior Standard に移行した方が効率がいいです。
少しでも早く、通常の TOEFL の形式に慣れていくためです。
必要なのはトーフル? トーイック?
そもそもの話をします。ちょっと長くなりますが「トーフルだのトーイックだの、違いもよくわからないしどっちを目指せばいいのか分からない」という人は読んでいただければ解決するかもしれません。
さて、
だれが、いつ、TOEFL のスコアを必要とするのでしょう?
答えは
「海外の大学に進学する人が」「入学の時に」必要です。
あなたは、日本の大学に行きますか?
アメリカの大学に行きますか?
どうするか、まだ迷っている段階ですか?
「日本の大学に行く」場合、TOEFL が必要になることはほぼありません。
(推薦や一部の試験免除になる可能性はありますが、英検や TOEIC でもいいよ、ということが多く TOEFL に限定されることは稀です)
はっきり言って、TOEIC で同レベルの点数を取る方がはるかに楽なので、そっちのほうがおすすめです。もちろんその場合は TOEIC 用の勉強をしてください。
一方、「アメリカの大学に行く」場合は入学の際にTOEFL のスコア提出が必要になります。TOEIC では代用できません。
TOEIC が「英語で日常のコミュニケーションがとれるか」をテストするのに対し、TOEFL は「(コミュニケーションがとれるのは大前提として)大学の授業についてこられるか」をテストします。なので、専門的でアカデミックな内容を取り扱います。
この「専門的でアカデミックな内容」というのがクセモノで、勉強にはかなりの時間を要します。
すでに海外留学を決めている人は、TOEIC なんかやってる場合じゃないんです。
「迷っている」という人も同じです。
迷っているなら両方と言わず、ひとまず TOEFL に焦点を当てて勉強を始めてください。
なぜなら、TOEIC ⇒ TOEFL よりも、TOEFL ⇒ TOEIC への軌道修正の方が圧倒的に楽だからです。
TOEFL も TOEIC も、同じところが作っているので、テクニックは若干応用できます。だから、TOEFL で身に着けた解き方のテクニックは無駄にはなりません。
「同じところが作ってるなら似たような試験なんだ。だったら先にトーイック勉強してもいいんじゃない?」
と、思ったかもしれません。
そうですね、テクニックはある程度応用できるでしょう。 ただ、TOEFL ではテクニック+大量の専門用語を把握する必要があります。
なので、先に TOEIC をやってると軌道修正はかなりつらいです。逆(TOEFL ⇒ TOEIC)であれば、何もしなくてもそこそこ点が取れます(900点以上を目指すなら専用の勉強をした方がいいですが)
- 日本の大学に行くなら TOEFL でなくてもいい
- 海外留学を考えているなら TOEFL に集中するべき
- 留学を迷っている場合も、ひとまず TOEFL の勉強を
- TOEFL ⇒ TOEIC の軌道修正なら楽、逆はつらい
その他の子供向け英語資格
「ジュニアはちょっと早いかな、プライマリーから始めてみようかな」という場合は TOEFL Primary の記事も見てみてください。
「トーイックの方のちょっと簡単なバージョンは無いの?」という場合はこちらへどうぞ!
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