【国連英検ジュニアテスト】とは? サンプルは?
「国連英検ジュニアテスト」は子供向け英語試験のひとつです。
名前に「ジュニア」と付いたり、「児童英検」の仲間だという情報も出てきてとてもややこしいですが、実用英語技能検定(英検)の子供用である「英検Jr.(ジュニア)」とは別物です。(英検ジュニアもかつては「児童英検」と呼ばれていました)
「英検Jr.」について調べていた、という場合はこちらの記事へどうぞ。↓
この記事では、国連英検ジュニアテストについて詳しくご紹介します。英検ジュニアと比較した時の難易度や受験のメリットについても考えてみました。
最後に、他の子供向け英語検定試験も紹介しています。
国連英検ジュニアテストと国連英検
まず「国連英検」というのは日本国際連合協会が主催している試験で、国際公務員・外交官・国際企業人等を目指すような人が受験しています。面接(スピーキング)では国際時事問題について試験官と討論を行うなど、級によっては英検1級よりも難易度が高くなります。
英検に英検ジュニアがあるように国連英検にも子供用があり、それが「国連英検ジュニアテスト」です。2019年度より外務省より認可を受け、外務省後援事業となりました。
「国連」とつくのでお堅いイメージがありますが、子供用の「国連英検ジュニアテスト」に関してはあくまで「英語を楽しみながら学ぶこと」に重点を置いていますので、子供たちにも親しみのある内容となっています。
つまり、国連英検ジュニアテストは
×「国連っぽい問題が出る試験」ではなく、
◯「日本国際連合協会さんが作った、子供用の英語検定試験」、略して「国連英検ジュニアテスト」
という感じです。
また、音声を聞いてイラストを選ぶという点でも、ほかの子供向け英語試験とほぼ同じなので、国連英検ジュニアテストも特殊な試験ではありません。
国連英検ジュニアテストの特徴
国連英検ジュニアテストは、イラストや音声を中心に進めていくことから、英検よりも英検ジュニアに雰囲気が近い試験です。難易度や形式の特徴を英検ジュニアと比較しながら見てみましょう。
対象年齢
国連英検ジュニアテストは、英語学習を始めて半年くらいからの子供を対象にしています。(年齢制限についての記載はなし)
コース(他の検定試験で言うところの「級」)はE~Aまであり、Eコースについては年長さんの受験が多いようです。また、Aコースの受験者は小5~小6が多く、国連英検ジュニアテストは全体的に幼稚園~小学生向けという印象です。
英検ジュニアも基本的には小学生を対象にしていますので、よく似ています。
2019年度の試験から、答案用紙に受験者の名前が印刷されるようになり、小さな子が「自分の名前を正確に書けなくても大丈夫」になりました。
合否と認定級
国連英検ジュニアテストは合否ではなく「評価シート」という形で結果が返ってきます。「認定証」もすべての受験者に発行されます。これも英検ジュニアと同じですね。(英検ジュニアも合否無し・全員に賞状送付)
希望すれば、認定証を飾るためのアクリルフレームや認定級章ストラップも発行してくれるようです。アクリルフレームが2,800円、ストラップが900円です。子供は買ってもらえると嬉しいかもしれませんね。
合否はないけど「認定級」がある
国連英検ジュニアテストに合否はありませんが、「1級~3級の認定級」というものが存在します。
極端な話をすれば、一番難易度の高いA級を受験し9割不正解でも(3級として)認定されますが、全問正解なら1級認定となります。
英検Jr.との難易度比較
国連英検ジュニアテスト・英検ジュニア共に、英語のレベルを示す「CEFR」は公開されていません。測定できるレベルには達していないからです。
そのため、各試験の「受験級の目安」を元に難易度を考えてみます。
国連英検ジュニアテストのA級を受験しているのは「小5~小6」が最も多く、就学レベルとしては「英語学習をはじめて5年程度」となっています。
英検ジュニアのゴールドも、対象は「小学校高学年」「小学校での英語活動が4年~5年程度」です。
これらのことから、英検ジュニアの3つのグレード(ブロンズ・シルバー・ゴールド)を、さらに細かくレベル分けしているのが国連英検ジュニアテストなのかなという印象です。
英検ジュニアのゴールドを受験できるようなら、国連英検ジュニアテストでもA級にチャレンジしてみてもいいかと思います。
ただ、回答方法や試験構成など、全体的に国連英検ジュニアテストの方が「試験っぽい」感じがします。そのため、「英検ジュニアのゴールドは楽勝だったけど、国連英検ジュニアテストでボコボコにされた」ということも起こるかもしれません。
次で詳しく見てみましょう。
試験内容・構成
国連英検ジュニアテストの試験の内容は主にリスニングです。音声を聞き、それに合うイラストを選択する形式です。
Aコースは「英文を読んで答える問題」が出題されます。
必要な学習時間や出題内容、構成は以下の通りです。
(問題数)
- 英語を聴いて、それに合うイラストを選ぶ
(25問)
- 英語を聴いて、それに合うイラストを選ぶ
(40問)
- 英語を聴いて、それに合うイラストを選ぶ
(60問)
- 英語を聴いて、それに合うイラストを選ぶ
(80問)
- 英語を聴いて、それに合うイラストを選ぶ
- イラストを見ながら英語を聴いて選択肢(英文)を選ぶ
(80問)
- 英語を聴いて、それに合うイラストを選ぶ
- イラストを見ながら英語を聴いて選択肢(英文)を選ぶ
- 英文を読んで答える
(80問)
回答方法はマークシート(4択)です。
以前は5択の問題もありましたが、2019年度の試験からは4択に統一されました。
※Eコースに関しては「問題帳にクレヨンで丸を付ける」という方式です。
国連英検ジュニアテストの過去問(サンプル)について
他の検定試験のように、サンプルが公式ページに載っていればいいんですが国連英検ジュニアテストには無いようです。
ただ、2019年に改訂された部分について画像付きで説明されているページがあり、雰囲気をつかむための若干のヒントにはなると思います。
こちら→
http://www.kokureneiken.jp/junior/release/revise2019
国連英検ジュニアテストの試験対策
公式サイトにサンプルがないので、試験対策をしたい場合は参考書を購入します。アマゾンなどで入手可能です。
Eコース
Dコース
Cコース
Bコース
Pre Aコース
Aコース
上記の「英語ドリル」シリーズが最新のもののようです。(2020年7月時点)
国連英検ジュニアテストの申し込み
国連英検ジュニアテストは基本的には塾や学校で実施されるものですが、個人でも受けることはできます。個人で受ける場合は、国連英検事務局に問い合わせて申込書を送ってもらい、そちらを使って申し込みをします。
受験料はコース(級)にかかわらず2,970円(税込)です。
自宅受験について
E~Dコースは自宅受験、それより上のレベルは会場受験(東京地区のみ)となります。
日程は公式ページから都度確認してください。基本的には年2回実施されます。
http://www.kokureneiken.jp/junior/guidance/
国連英検ジュニアテストを受験するメリットは?
国連英検ジュニアテストは、全体的に英検ジュニアによく似た試験です。受験級によっては試験時間が長めではありますが、対象年齢や難易度はほぼ同じで、合否もありません。
個人で受ける場合は東京会場でしか受験できないため、そこがちょっと不便です。
E~Dコースに関しては英検ジュニアと同じく自宅受験が可能なので、それだけやってみるのもいいかもしれません。
ただ、そこまでして受験するような試験なのか、何か大きなメリットがあるのかと言えば正直そうでもないと思います。
(普通の)国連英検につながる試験というイメージがあるかもしれませんが、ジュニアの方は日常的な場面で使われる英語を楽しく習得していくものであり、これを通ったからといって国連英検独特の問題(国際問題など)に慣れるということはできません。
国連英検に興味がある場合でも、「まずは楽しく英語に触れたい」「幼児向けがいい」ということであれば「英検ジュニア」で充分だと思います。
名前に「国連」ってつくからカッコイイとか、認定ストラップが欲しいとか、そういうものが勉強することのモチベーションになるようならいいかもしれません。
その他の子供向けおすすめ試験
未就学児や小学生で、「英語の力試しをしたい」という場合には、自宅受験もできる英検Jr.が一番おすすめです。
「ケンブリッジ英検」にも子供向けがあります。子ども向けで4技能(書く・読む・話す・聞く)を測れる数少ない英語資格試験の一つです。
少しレベルは上がりますが、子供向けだとこの他にTOEFL Primary、JET(子供向けTOEIC)がおすすめです。
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