【GTEC Junior】英検・英検Jr.とはどう違う?【子ども向け英語4技能検定試験】

【GTEC Junior】英検・英検Jr.との違いもチェック!

大学入試にも活用できることから目にすることが多くなった「GTEC(ジーテック)」という英語検定試験。このGTECには小中学生を対象とした「GTEC Junior」という試験もあります。

子ども向けの英語試験と言えば英検 Jr.(ジュニア)が有名ですが、試験の受け方や出題内容などはどう違うのでしょうか?
GTEC Juniorを受験するメリットもあわせて、英検・英検 Jr.と比較しながら詳しく解説します。

最後に、その他の子供向け検定試験についても触れています。


GTECとは? GTEC Juniorとは?

GTECシリーズは、小学生から社会人までを対象にした英語検定試験です。ベネッセが作っています。

GTECシリーズには学年・目的別に3種類があり、簡単な順に並べると以下のようになります。

  • GTEC Junior
  • GTEC
  • 大学生・社会人向けGTEC

いずれも、話す・聞く・書く・話すの4技能全てを測定します。

大学入試などに使われるものが無印の「GTEC」、今回紹介するのは、一番最初のレベルのGTEC Juniorです。

GTEC Juniorの特徴・英検との違い

GTEC Juniorの試験概要を、英検・英検Jr.と比較しながら見てみましょう。

対象者

GTEC Juniorの対象は「小中学生」です。

GTEC Juniorの中でもさらにレベル分けがされていて、それぞれ下記のように示されています。級みたいなものですね。

  • 【Junior Plus】中学1年生レベル
  • 【Junior 2】小学6年生レベル
  • 【Junior 1】小学5年生レベル

英検・英検Jr.は自分で好きな級(レベル)を選んで受験することができますが、GTEC Juniorは選べません。GTEC Juniorは団体で実施される試験なので、レベルを選ぶのは受験生ではなく塾や学校側です。

個人では受験できない?

英検・英検Jr.とは違い、GTEC Juniorは個人申し込みができません。塾や学校単位での団体受験のみ可能です。GTECシリーズの中で個人申し込みができるのは「GTEC(CBT)」「大学生・社会人向けGTEC(Business)」のみです。

※自宅で、個人で受験できるオンライン版「GTEC Junior Online」というものが2019年にはありましたが、現在は終了しており今後の情報も出ていません。

ベネッセの試験なので、ベネッセの英語教室「BE studio」でも実施されます。
BE studioに通っている場合は、受験資格が先に紹介したものと少し変わってきて、以下のようになります。

  • 【Junior Plus】小学校6年生~中学1年生
  • 【Junior 2】小学校4年生~小学校5年生
  • 【Junior 1】小学校2年生~小学校3年生

Junior 1は「小学5年生レベル」として作られていますが、ベネッセの教室に通っていれば小学校2年生から受験が可能です。続く「Junior 2」「Junior Plus」に関しても、通常よりも早い段階で受けることができます。

ベネッセのBE studioについてもっとよく知りたい場合は、こちらの記事をどうぞ。

合否・難易度

GTEC Juniorは合否ではなく、スコアとグレードで評価されます。(他のGTECシリーズについても同様です)

スコアとグレード、なんで2つあるのかと思ったら、グレードは分かりやすくするためにおまけで表示されている感じみたいです。「スコア〇点だからグレードでいうと●なんだー」という風に見るようです。

英検では合否判定があり、英検Jr.は「正答率」のみが通知されます。合否が無いという意味では、英検Jr.と同じですね。

スコアとグレードの見方

獲得したスコアにより、以下のようにグレードが付けられます。

上限スコア(満点)はそれぞれ【Junior 1:400点】【Junior 2:480点】【Junior Plus:560点】です

スコアグレード英語力の目安
481-5605中学1~2年生前半
365-4804小学6年生
285-3643
205-2842小学5年生
-2041

【参考】GTEC 公式ページ / 2020年6月時点

Junior 2の満点が480点なので、「グレード5がほしい」という場合はJunior Plusを受験しないといけないことになりますね。

GTEC Juniorについては、英語のレベルを示す「CEFR」が公開されていません。(おそらく測定不可)
ですので筆者の個人的な感覚にはなりますが、GTEC Juniorよりも英検5級の方が難易度は高いと思います。英検5級には、自分で文字を書く「筆記」の問題は出ませんが、「適切な前置詞を選ぶ」など文法の知識を問う問題がGTEC Juniorに比べて多い感じがします。

英検Jr.の方は、各レベルが以下の目安で示されています。

  • 【GOLD】小学校高学年程度
  • 【SILVER】小学校中学年程度
  • 【BRONZE】小学校低学年

英検Jr.はオールリスニングのテストなので、その部分で難易度の感じ方が変わってくるかもしれませんが、レベルを照らし合わせていくと、英検Jr.「GOLD」と同じくらいの難易度がGTEC Junior「Junior 1」になると思います

試験内容

GTEC Juniorの試験時間と構成は以下の通りです。

レベルListeningReadingSpeakingWriting実施時間
Junior Plus28問24問11問7問約95分
Junior 226問20問11問12問約90分
Junior 126問20問11問12問約85分

各レベルの試験内容に大きな違いはなく、難易度だけが上がります。

試験中は専用のタブレット・タッチペン・ヘッドセットが渡されるので、それを使って進めていきます。

【GTEC Junior】タブレット
【GTEC Junior】タブレット

選択式の問題は3択または4択です。
また、ほぼ全ての問題において日本語の音声で指示が出されます。

試験対策について

GTEC Juniourは小学校でも活用されることを見据え、学習指導要領に沿った内容で出題されます。そのため、普段小学校で使っている教科書の内容の復習で充分対策ができるようになっています

GTEC Juniourのサンプルを見てみよう

公式ページでサンプルを見ることができます。

https://www.benesse.co.jp/gtec/junior/question/

サイト内を探してみましたが、サンプルが閲覧できるのはJunior 2だけみたいです。
「問題の構成」については全レベル公開されていますので、そちらも見ながら、どのような問題が出題されるのかをまとめてみました。

Listening リスニング

listening

リスニングの英文は、1回のみ流れます。

  • 音声を聞いて、それを表す「絵」を選ぶ
  • 質問や一定の長さの説明などを聞き、状況に応じて正しい答えを選ぶ

といった問題が出ます。

Reading リーディング

reading

単語や文字を読めるか・意味が分かるかのテストです。

サンプルを見る限り、長文読解ではなさそうです。

Speaking スピーキング

speaking

音声を聞いてまねしたり、短いフレーズや単語で返事をします。

絵を見て答える問題も出ます。例えば曜日を聞かれたら、”It’s Monday.”でも、“Monday.”と簡単に答えてもOKなようです。

Writing ライティング

writing

単語の穴埋め(正しいスペルで書けるか)などが出題されます。

Junior Plusでは「自分のことについていくつかの文を書く力を測定する問題」が出るようです。2~3文の自由英作といったところでしょうか。


GTEC Juniour 受験のメリット

GTEC Juniourを受験するメリットは、強いて言うなら「GTECという試験に、早い段階から慣れることができる」という点です。

GTEC(ジュニアではない方)のスコアは大学受験でも活用出来たりと、使いどころは結構多いです。将来的にGTECを受験するという場合は、GTEC Juniourも受験する価値があると言えます。

最初に触れたように、GTEC Juniourは塾や学校などの団体で実施されるものなので、そもそも受験するかどうかの選択も出来ない場合が多いです。

ただGTEC Juniourだけでは特に、入学試験にも有利になりません。なので、「通っている塾や学校が実施してくれない」と言う場合は特に気にしなくていいと思います。別の試験で充分です。

次のまとめの後に、他の英語検定試験も紹介しているので参考にしてみてください。

まとめ

【GTEC Juniorの特徴まとめ】

  • GTEC Juniorは4技能を測る試験
  • 個人では申し込み不可
  • 受験レベルは塾・学校側が選ぶ
  • 結果は合否でなくスコアで通知
  • 難易度は英検Jr. < GTEC Junior < 英検5級
  • 試験対策は小学校の英語の教科書で可能

その他の子供向け英語検定試験

子供向けの英語検定試験と言えば、この記事で何度も触れた「英検Jr.」があります。こちらの記事で詳しく紹介しています。

もう少し難易度が高いものが良ければ、TOEFL PrimaryJET(子ども向けTOEIC)がおすすめです。

上記3つの試験にはスピーキングがありません。

4技能かつ子供向けがいいなら「ケンブリッジヤングラーナーズ英語検定 (YLE)」がいいでしょう。
「A2 Flyers」レベルでは自由英作文を求められるなど、かなりしっかりした作りです。


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