【ヤギ】の英語絵本 おもしろいのはコレ!
今回はヤギ(山羊)の英語絵本をご紹介します。
ヤギは、生物学上ヒツジと同じく「ウシ科ヤギ亜科」にあたる動物です。ですが性格にはかなりの違いがあり、ヤギの方が活発で攻撃的、羊はおとなしいのが特徴です。
さて、絵本ではどのように描かれているでしょうか?
ヤギの英語絵本 おすすめ6選
日本語版が出ているものは日本語タイトルも記載しています。また、読み聞かせの難易度を3段階(★~★★★)で示しています。
The Greedy Goat
何でも食べてしまう、よくばりなヤギさんのお話。ドッグフードや猫用のミルクからはじまり、飼い主のパンツまでもぐもぐ……。
色んなものを食べて具合が悪くなり、ヤギさんの体の色はred, blue, yellow…とおかしな色になってしまいます。そして、Sunday, Monday…と日を追うごとに少しずつ回復します。
アレコレ食べて病気になったり、曜日をカウントしていく展開はエリックカールの「はらぺこあおむし」を彷彿とさせます。同じパターンや文章の繰り返しで子供を引き付けるテクニックが使われているところもそっくり!
ですが、最後は全く違った展開で読者を楽しませてくれます。
「『はらぺこあおむし』を読んだことがある」という場合はぜひこちらも読んで欲しいです!
エリックカールの「はらぺこあおむし」
もちろん “The Greedy Goat” だけでも楽しめますが、比べながら読むと楽しさも2倍になりますよ。
The Three Billy Goats Gruff 三びきのやぎのがらがらどん
橋を渡って谷の向こうへ行こうとする3匹のヤギ。しかし、橋の下にはヤギを食べようとするトロルが住んでいます。最初に橋を渡った小さいヤギは言いました。「僕を食べないで。次に来るやぎはもっと大きいから、ね」
ヤギの話といえば、やっぱりこれ!「三びきのやぎのがらがらどん」です。
ヤギたちが橋を渡る旅に出てくる “Trip, trap, trip, trap…” という音や、トロルの決め台詞のような “I’m going to gobble you up!” は子供もすぐに覚えてしまいそう! 読み聞かせの時は場面に合わせて声の大きさや調子を変えてみてもいいですね。
ちなみに、英語版タイトルの “Billy Goats” は「雄ヤギ」、ヤギたちの名前である “Gruff” は「しわがれ声の」という意味。
そこから語呂よく、名前っぽくして、日本語では「がらがらどん」にしたようです。翻訳者さんってすごい!
元々はノルウェーの昔話で、同じタイトルで多くの本が出版されています。私の家にあったのはこちらの本で、今見ても迫力のある絵に目が釘付けになってしまいます。
こちらは英語と日本語のCDつき。絵本も日英両方で表記されています。↓
他の “The Three Billy Goats Gruff”
話の大筋は変わりませんが、話の細部は本によって若干変わってくるようです。
例えば、先に紹介した本ではトロルは「目玉を突き刺され、体をバラバラにされて」倒されます。こちらはもう少しそこがソフトで、「川へ突き落す」となっています。こういう変更には時代を感じますね~。
使われている単語も、全体的にちょっと分かりやすいものなっていたりもします。
G Is for Goat
ヤギと、その周りのモノ・行動でABCを学べる絵本。見開きページいっぱいに、たくさんのヤギが登場してとても賑やかです!
“B is for Billy, what boy goats are called.” のように、1フレーズで分かりやすい説明のようになっています。また、見開きで左右に1フレーズずつ、つまりアルファベット2文字分が載っているのですが……
P is for Push, when goats just won’t go.
Q is for Quit, when goats just say no.
このように、左右のフレーズで韻を踏んでいるのも特徴的です。読み聞かせの際に子供が気付いたら、よく気付いたと褒めてあげましょう!
The Goat with Many Coats
親をなくした子ヤギのプロスペクトは、引き取られた先の人間の家で暮らすことになります。まだ幼く、毛の少ない体で震えていたプロスペクトに与えられたのはヤギ用のコート。与えられる服を喜んで着ていたプロスペクトでしたが、あるとき「本物のコート」を身に纏ったヤギに出会い……?
Goatといえば韻を踏んで「”coat” を着せられる物語」が定番なのですが、こちらは作者の実話をもとにした心温まるお話です。
心細そうなプロスペクトに優しく接するブタのパイニーも良い子ですごくカワイイ! 他のヤギたちに会いに行くのをためらうプロスペクトの背中をそっと押す様子にはキュンとします。
文章量は多めですが、その分話もしっかりしていて面白いのでおすすめです!
同じ作者の絵本
他のヤギのお話もあります!
One Baby Mountain Goat
1ページ1ページ、子ヤギをカウントしていく仕掛け絵本。仕掛けの部分をめくるとイラストが現れるようになっています。
「また友達がやってきたよ」というシチュエーションで10匹まで数えます。
仕掛けのつくりとしてはシンプルですが、「めくる前は文字だけ」「めくって、初めて絵が見られる」という見せ方にはワクワクします。
The Three Billy Goats Fluff
“The Three Billy Goats Gruff(三びきのやぎのがらがらどん)” のパロディです。ヤギの名前も”Gruff” でなく “Fluff” になっています。日本語にするとしたら「ふわふわりん」みたいな感じでしょうか(笑)
「がらがらどん」ではトロルは「よく分からないけど、怖くて悪い奴」という扱いでした。こちらの絵本では、もう少しトロルの気持ちに寄り添ってみた様子。トロルだって気持ちよく眠っているところを、橋をカタコト鳴らして歩かれ起こされては堪りません。
「うるさくするなら、食べちゃうぞ!」というトロル。お母さんヤギは、3匹の息子たちもトロルも平穏に暮らせるような解決策を考えます。
絵もカワイイし、おもしろい!
元の話をただ平和に当たり障りのないオチにするだけでなく、そこに至るまでの経緯をヤギの特徴をよく生かしつつ描いています。
“The Three Billy Goats Gruff” が好きなら、こちらの絵本もぜひ!!
「強い」ヤギたち
やぎの英語絵本のご紹介でした。
細かく数えたわけではありませんが、その習性からか、羊よりも「強い」キャラクターとして描かれているものが多い印象でした。
カワイイやぎの絵本をたくさん読んでも、個人的にはやっぱり「がらがらどん」のイメージが深く心に刻まれている感じがします。
ちなみに、羊の絵本はこちらで紹介しています。よろしければご覧ください。
他の動物が出てくる英語絵本も見てみたい、という方はこちらから探してみてください。