日本の絵本【英語版】のおすすめ紹介 大人には懐かしいあの名作も!
「英語の絵本を読んでみたい(or 子供に買ってあげたい)」
でも
「これはちょっと子供向け過ぎる」
「これはレベル高すぎ……」
……とお困りのあなたにおすすめしたいのが、英訳された日本語の絵本です。子供の頃大好きだったあの話を英語で読めるというだけで、ちょっとワクワクしませんか?
この記事では、英語版の日本の絵本をおすすめする理由と、購入できる本を紹介しています。幼児向けほどかんたん過ぎず、かといって一気にレベルを上げたくない……という時の参考にしてみてください。
最後に、もう少し簡単な赤ちゃん・幼児におすすめの英語絵本についても紹介しています。
英語版日本の絵本を子供も大人も楽しめる理由
さて、絵本を子供に買うにしても、自分用に買うにしても「小さい頃に読んでいた本」であれば内容を把握しているわけですから、「大丈夫かな、おもしろいかな」と迷うこともありません。
それが英訳された日本の絵本を勧める理由の一つでもあります。
ですが、日本語で読んだことのない絵本であっても「英訳版日本の絵本」をおすすめする理由が3つあります。
- 「あたり」の確率が高い
- 親しみが湧きやすい
- 日・英そろえて読み比べが楽しい
1. 知らない本でも「あたり」の確率が高い
英語の本に限らず、せっかく買うからには「いいもの」を買いたいと思うものです。これが、原作が海外の物だったり、よく知らない作品だったりすると選ぶのに苦労します。
ここで売る側の立場を考えてみましょう。英語に翻訳して出版するというのは、お金も時間もかかることです。それでもあえて「英語版を出版する」なら大人気で、ロングセラーで、売れる見込みのある作品を選ぶはずです。
つまり、英語版が出版されている日本の絵本はおもしろさが保証されています。実際は本人の好みによるところもありますが、高確率で飽きずに長く活躍してくれるでしょう。
2. 親しみのわく絵柄とストーリー
絵本ですから絵は大事です。英語のためとはいえ、絵にも注目して選びましょう。
自身の人種や育った環境・文化によって、何に惹かれるのかは変わってきます。そしてやはり日本人は、「日本人の描いた絵」に親しみが湧くことが多いです。
また、英語原作の絵本にはキリスト教文化が、日本語原作の絵本には仏教・神道の考えがそこはかとなく漂っているものが多いと感じます。日本で育った日本人であれば、後者の方がストーリーも頭に入ってきやすいはずです。
3. 英語・日本語での読み比べができる
「このやたらとリズムのいい英文、日本にするとどんな感じかな~?」というときは日本語の本でチェックできますし、逆もまた可能です。日本語版・英語版の両方をそろえておくのもいいですね。
比べて読めば「英語だとこうなるんだ!」「すごい意訳したんだなあ」といった発見もあるでしょう。子供であれば、そんな発見をきっかけに翻訳という仕事に興味も出てくるかもしれません。
英語版日本の絵本 おすすめ5選!
本が大好きで長年本屋で働いていた筆者が、おすすめの絵本を選びました!
お近くの書店で購入したい場合、普段洋書を置いていないところでも言えば取り寄せてくれることもありますよ。
1. ぐりとぐら Guri and Gura
みんな一度は「食べたい!」と思った、大きなカステラを作る話です。
「このよで いちばん すきなのは おりょうりすること たべること」のようなリズムのいい文章が印象に残っています。英語でも楽しく読めるように訳されているか、チェックしてみてくださいね。
同じシリーズの本
ぐりとぐらのシリーズは他にも英訳されています。ペーパーバックやハードカバー、CDつきなど色々あります。特に中古で購入する場合はよく確認してください。
ぐりとぐら
(CD付き)
ぐりとぐら
(CD無し)
ぐりとぐらの
おきゃくさま
ぐりとぐらの
かいすいよく
ぐりとぐらと
すみれちゃん
2. そらいろのたね The Sky Blue Seed
「ぐりとぐら」と同じ作者、中川李枝子さんの本は、こちらも英訳されています。
「きつねからもらった空色のタネを植えると家が生えてくる」というところから始まります。一つ一つの部屋に動物たちがぎゅうぎゅう入っている様子はとってもかわいくて、今見てもわくわくします。
3. 手ぶくろを買いに Buying Mittens
片手だけ「人間の手」にしてもらって、手袋を買いに行く子ぎつねの話です。無事、きつねだとバレずに買って帰ることができるでしょうか……?
ストーリーはもちろん、ほわっとした絵もかわいい絵本です。
同じ作者の本
同じく新美南吉さんの本で有名な「ごんぎつね(Gon, the Little Fox)」も英語版が出ていますが、こちらはちょっとかわいそうで、あまり子供向けではないかもしれませんね。
個人的には、「手ぶくろを買いに」の方が平和な話で好きですが、読みたいという方はこちらもぜひ!
4. からすのパンやさん Mr. Crow’s Bakery
いろんな形のパンが出てくるページが好きでした。
この本に出てくるカラスの子供たち、大きくなって「おかしやさん」や「そばやさん」になったって、知ってましたか? 英訳されているのは「パン屋さん」しか見つかりませんでしたが、そのうち他の話も英語版が出るといいですね。
5. 注文の多い料理店 The Restaurant of Many Orders
料理店に入った男たちが、店側からアレコレ注文をつけられて最後は……という話です。「学校の教科書で読んだ」という方も多いのではないでしょうか。
この記事で紹介した他の本と比べると大人向けという印象ですね。
宮沢賢治さんの話は(絵本ではないですが)たくさん翻訳されているので、ファンの方はぜひ色々読んでみてください。日本語の本に関しては著作権が切れているので、Kindleで無料で読めます。
【番外編】いもとようこの描く名作・昔話
「はじめてのめいさく」というシリーズが英語で出ています。とにかく絵がカワイイ、いもとようこさんの絵本です。
中には、元は日本の話ではないものもありますが、有名なあの話、この話、これを機に英語で読んでみましょう。「かぐやひめ」なんかは、いつか英語で竹取物語の説明を求められた場合は役に立つかもしれませんね。
セットで一気にそろえてしまうのも良さそうです。
日本の絵本を選ぶメリット
英訳されている日本の絵本の中から、おすすめのものをご紹介しました。
文化・宗教の違いから、日本の絵本には海外ではあまりお目にかかれないような話もあります。とくに「ヒトと動物の交流」「擬人化」が特徴的かと思います。こんな世界もあるんだと思えて、明日も楽しい一日になりそうで、私はとても好きでした。
同じ英語の読み聞かせでも、そんな夢いっぱいの「日本の話」の方が子供が喜んでくれた、ということもあるかもしれません。ぜひ、日本の本も取り入れてみてくださいね。
その他のおすすめ英語絵本
「子供のために英語の絵本で読み聞かせがしたい!(かんたんなのがいい)」という場合はこちらの記事も参考にしてみてください。
小さいうちは深く考えず、仕掛け絵本でおもちゃのように楽しんでもらうのもいいですね。