ミネルバ大学は世界一!?世界最難関といわれる大学の謎に迫る。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、一部の学校ではオンライン授業が普及中。コロナショックがきっかけとなり、今後日本でもオンライン授業やオンライン会議の必要性が増してくると思われます。


オンライン授業といえば、キャンパスを持たず全ての授業をオンラインで行うアメリカのミネルバ大学に今世界中が大注目。

合格率は2%以下で、ハーバード大学など世界の名門大学に合格するほど優秀なのにも関わらず、進学先としてミネルバ大学を選ぶ学生が増えているというから驚きです。知名度や認知度は他の名門大学と比べると劣りますが、隠れた超人気の界一の大学と言われているほど。

新しい時代の幕開けの予感がします。

  • ミネルバ大学ってどんな大学なの?
  • すべてオンライン授業で本当に大丈夫なの?
  • 入学するには?学費は?

純粋に興味があったのでいろいろと調べ尽くした結果、3歳と1歳の我が子が将来「ミネルバ大学に入りたい!」と言い出したら迷わず大賛成したいと本気で感じるようになりました。

今回は、全ての授業が英語で行われる大学を卒業し、英語「で」何かを学ぶことの重要性を痛感している筆者がミネルバ大学について徹底的に解説します!



ミネルバ大学の5つの特徴

ミネルバ大学は、2014年9月に開校したアメリカの4年制総合私立大学。カリフォルニア州のサンフランシスコに本部が置かれています。

2019年の9月入学の時点では、トータルで約600名の世界中から集まった生徒が学んでいます。

2017年には初の日本人学生も入学し始めたことでさらに話題になりました。
ミネルバ大学の特徴を5つに分けてご紹介します。

  1. キャンパスがない
  2. 授業は全てオンライン
  3. 独自カリキュラムが斬新
  4. 教師が教えない授業
  5. 合格率が2%以下で世界最難関

1. キャンパスがない

ミネルバ大学の一番の特徴は、学生たちが通うキャンパスがないということ。

キャンパスがないと聞くと、「じゃあどうやって学ぶの?」と疑問ですよね。ミネルバ大学では、全ての学生が4年間で一定期間ずつ7つの国際都市で全寮生活を送りながらオンラインで授業を受けるという世界で初めての画期的な取り組みを行っています。

7つの都市は下記の通り。

※大学公式HPより引用
1年目:サンフランシスコ
2年目:ベルリン/ブエノスアイレス
3年目:ソウル/ハイデラバード
4年目:ロンドン/台北

ミネルバ大学に入学すれば7つの都市がまさにキャンパスになるというイメージです。

ミネルバ大学が厳選した7つの都市に共通する特徴は、活気があり、交通機関の充実や生活の利便性が担保でき、文化やエンターテイメントの魅力に溢れた街であること。

決められた「キャンパス」という空間ではなく、世界各地で現地の人との繋がりや学生同士のコミュニケーションを通して真のグローバル人材を育成する目的があります。


2. 授業は全てオンライン

ミネルバ大学は、学生が受講する全ての授業をオンラインで行っています。

ただし、予め用意された授業をオンラインで一方的に配信するという形式ではなく、講義はゼロで、100%アクティブラーニングというのがミネルバ大学の授業の最大の特徴。

グループでのビデオ通話で、主に学生同士が1つのテーマについて互いの意見を交換し尊重しながらディスカッション・ディベート・プレゼンテーションなどを通じて学びを深めていきます。

授業はインターネットが通じる場所であれば、カフェでも共有スペースでも寮でも外でもどこからでも受講可能。今回のコロナの感染拡大で、授業の進行に影響が全くなかった学校は世界中でこのミネルバ大学だけかもしれません(^^)

また、授業は12コマ(90分×2回)。たったの3時間?と思うかもしれませんが、ミネルバ大学では授業の前の予習が非常に重要。予習をした人だけが授業を受けられる仕組みになっているほど。

よって、授業時間の何倍も予習に時間を費やす必要があるようです。


3. 独自カリキュラムが斬新

カリキュラムが従来の大学とは全く異なるところもミネルバ大学の特異性。
一般的な大学では、入学前に自分が学びたいと思う分野の学部を選んで受験するかと思います。一方ミネルバ大学では1年次時点では専攻は決めず、全ての学生がこれから学んでいくことの考え方の土台を徹底的に習得していきます。


1年次:基礎

1年次では下記の4つの基本コンセプトを元に物事の見方の基礎を身につけるカリキュラムをこなします。

  1. 形式的分析:論理的に考える思考を身につける
  2. マルチモーダルコミュニケーション:効果的なコミュニケーションの方法を身につける
  3. 実証的分析:想像力を使って仮説を立て検証する力を身につける
  4. 複雑系:多様な要因によって成り立つ相互作用などについて学ぶ

2年次:方向性

1年次での基礎課程を終えて、いよいよ下記の5つの中から自分の専攻を決めるのが2年次です。

  1. 芸術と人文学
  2. 計算科学
  3. ビジネス
  4. 自然科学
  5. 社会科学

3年次:焦点

2年次で学んできた専攻分野をより実践的に深く学んでいくのが3年次。

プロジェクトなどを通してより知識を深めていきます。従来の大学と違うのは、学んだことを専攻している分野を越えて応用していくことができる実践力を身に付けることに注力している点。


4年次:結合

大学生活最後の4年次では、これまでの集大成としてその分野における新たな貢献となるようなプロジェクトを完成させます。

1年かけて1つの大きなプロジェクトを完成させていくというのはすごいですね。そしてこうして積み上げた知識、経験、教養のすべてが実際の社会生活で直接生かすことができるというのもミネルバ大学の特徴の1つ。


4. 教師が教えない授業

ミネルバ大学のオンライン授業は、100%アクティブラーニングの方式で行われています。

学生を中心にディスカッションなどを進めていく為に定められているルールが、90分間の授業のうち「教師はトータル10分以上話してはいけない」というもの。連続だと4分までしか話せないんだとか。

しかも話していいのはアドバイスのみ。従来の大学の授業では大抵この真逆が行われていますね。教師が延々と講義をし、生徒は聞いてノートを取るだけ。こんな授業形式はミネルバ大学では存在しないんです。

このルールを破ってしまった教師は、ただちに授業の改善を求められるそうです(^^;)
そういった徹底した指導法がオンラインでも優秀なグローバル人材を育てることに大きく成功しているといえます。


5. 合格率が2%以下で世界最難関

ミネルバ大学の出願者は2019年度は24,000人。合格率は1.2%だったそうです。ちなみにハーバード大学の2019年度の合格率は約4.5%でした。(とはいえ、ミネルバ大学の出願基準がそもそもハーバード大学などの世界の名門大学より低いので、受験者が多くなりやすい分必然的に合格率は下がりますが…)

とにかく、それだけミネルバ大学への興味関心が世界中で強まっており、世界各国から優秀な学生が入学しているということですね。


ミネルバ大学の学費は高い?

我が子が海外の大学に進学するかもしれないとなれば(←気が早い笑)、学費は非常に気になるところ。

ズバリ、ミネルバ大学の学費は米国トップクラスの大学と比べるとはるかに安いです。
アメリカの名門校4校と比較した年間の学費を表にまとめてみました。

ミネルバ大学13,950ドル(約150万)
ハーバード大学47,730ドル(約520万)
イェール大学57,700ドル(約620万)
ペンシルバニア大学49,220ドル(約530万)
プリンストン大学53,890ドル(約580万)

※上記は2020年5月時点で各大学公式HPに記載されていた学費を掲載したものです。


ぱっと見でいかにミネルバ大学の学費が安いかがわかりますよね。

ミネルバ大学以外のアメリカの名門4校の平均が年間562.5ドルなので、ミネルバ大学の学費は他の名門校に比べ約4分の1です。

キャンパスなどへの施設投資がいらないからこそこの安さを実現できているのでしょう。


もちろん海外で生活するには別途それなりに費用はかかりますが、少なくとも確実に一番大きな負担である学費がこれだけ安いとたくさんの学生にチャンスが平等に与えられます。

そこも世界各国から可能性を秘めた学生が集まる要因の1つといえるでしょう(^^)


ミネルバ大学には奨学金制度などの資金援助はある?

既述の通り、ミネルバ大学の学費が他のアメリカの名門大学と比べるとはるかに安いことはわかりました。

とはいえ奨学金制度があるのであれば上手く活用したいと考えるご家庭も多いと思います。実は、資金面での援助も充実しているのがミネルバ大学。3つの支援体制があるんです。

  1. 卒業後の負担が軽くなる低金利ローンを利用できる
  2. 学業しながら大学から雇用の機会をもらえる
  3. 寄附金により需要に応じた奨学金制度を利用できる

とにかく出来る限りすべての学生に平等に機会を与えたいというミネルバ大学の思いが伝わってくるような気がします。


ミネルバ大学に入学するには?

ミネルバ大学では偏見や差別のない公平な入試体制を備えています。

出願基準が他の名門大学と比べると低いことや、完全なる絶対評価で入試が行われるので自分自身が大学の求める基準に達していれば合格できます。いわゆるお金持ちのエリートしか入れない大学ではないですし、周りの人との比較で評価されることがないのが最大の特徴であり魅力。

詳しく見ていきましょう。


出願条件

各年度に1回出願が認められており、高等学校卒業(もしくは卒業見込み)であれば誰でも出願できます。

他の大学でよく提出を求められるSAT、ACT、TOEFLなどのスコアは一切不要
性別、民族性、家庭の経済力や家庭環境なども問いません。とにかく「平等」これがミネルバ大学の入試。

そして、オンライン上で試験が受けられるので、世界各国から出願が可能です。

※ですが我々日本人のような英語を母国語としない学生の場合、現地の学生と同等に学ぶことができるだけの高い英語力が必要です。


受験料

なんと無料です(^^)オンラインで受けられるからというのもあるかと思いますが、非常に良心的な大学です。


入試内容

ミネルバ大学のユニークな独自の入学試験では下記の3つの観点から学生を評価します。

1. どんな人か Who You Are

これまでどんなところで生まれ育ち、どんな場所で学んできたのか、など自分自身の生い立ちや過去の自分が誇れることをミネルバ大学のHP上で入力して提出します。その際、出願アカウントを発行しますが、複数のアカウントを作成するなどの行為は固く禁じられています。


2. どう考えるのか How You Think

想像力や論理的思考が問われるライティングとスピーキングによるミネルバ大学独自の試験を受けます。


3. 何を成し遂げてきたか What You Have Achieved

過去の自分自身の功績をアピールし、それが周りにどう影響を与えたかなどを述べる試験です。

学校での成績以外でも、個人的に何に誇りを持って取り組んできたのかなどのパーソナルな部分も含めて、柔軟に、総合的に評価してくれるのがミネルバ大学の入試。


ミネルバ大学についてのSNSコメント集めました!

ミネルバ大学はまだ日本ではあまり認知度が高くありませんが、今後ミネルバ大学を知る人がもっと増えたらなと個人的には思っています。

Twitterでツイートされていたミネルバ大学についての興味深いコメントをいくつかご紹介します。

学生が中心となりアウトプットしたものを、先生がフィードバックする。この授業こそがミネルバ大学の強みですね。

※上記はキミハル@元外交官の英会話さん (@kimi_english) に許可をいただいて掲載しております。


4年間で7つの都市に滞在しながら学ぶことはやはり話題になりますよね!

※上記は中村洋太さん (@yota1029) に許可をいただいて掲載しております。


ミネルバ大学は「学んできたものを深める場所」、まさにそうですね。

※上記は嶋本勇介@おうちdeまなび舎/高校生みらいラボさん (@yshimamoto0326) に許可をいただいて掲載しております。


ミネルバ大学に入学した日本人学生はどんな人なのか、非常に興味深いですよね!

※上記はKids Code Club💻さん (@kidscodeclubjp) に許可をいただいて掲載しております。


海外の大学で学ぶという選択肢が当たり前になる時代へ

※大学公式HPより引用(寮の様子)

ミネルバ大学、非常に画期的で今の時代にぴったりな大学だと思いませんか?(^^)

日本一の大学といえば日本人なら誰でも知っている東京大学。
東京大学に入ったら人生安泰なんてことも言われたりしますよね。

ですが世界で活躍できるグローバル人材が求められるようになっている今の時代では、日本のトップ大学を目指すよりも進学先の選択肢を世界にまで広げることが大切、いや必須になってくるかもしれません


従来の留学の目的のほとんどが「英語を勉強するため」でした。ですが英語力だけであれば日本でも身につけることは十分可能。

海外の大学に進学するには現地の学生と同等に学び合えるネイティブレベルの英語力が必要となるので、日本にいる間に英語力を身に付けておかなければいけません。だからこそ今早期英語教育に非常に価値があるわけです。

海外留学で得られるものは、異国の地に一人渡って現地の人と生活を共にすることで培われる強靭な精神力や、日本人として海外で学ぶことで育つ異文化理解や国際感覚


日本はグローバル人材の育成という意味では、正直韓国や中国などの近隣諸国にはかなり遅れを取っています。

ですが今後は当たり前のように教育でもビジネスでも国境を越え、すべての選択肢を世界基準で考える必要が出てきます。教育を受けるために海外に行く、仕事をするために海外に行くことが当たり前になり、「日本人だから日本の中で」が古い考えになってしまう時代が来ます。

そんな時代の先駆けとして、ミネルバ大学は非常に価値ある存在だと私は思います(^^)


ミネルバ大学の特徴まとめ

  • キャンパスがなく、4年間で7つの国際都市での全寮生活をする
  • 授業はすべてオンラインでのアクティブラーニング
  • 独自カリキュラムで真の国際人を育成する
  • 「教えない」授業
  • 合格率2%以下の世界最難関大学


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