【おすすめ英語教育本レビュー】「子どもの未来が変わる英語の教科書」
こんにちは〜!
元子ども英語講師、3児の母、ちゅみママです。
話題の英語教育本を実際に読んで、どんな内容でどんな人におすすめの本なのか、本から学んだことをご紹介していく、【英語教育本レビュー】です。
自分の目的にあった英語教育本を手元に置いておくと、困った時に助かりますよ〜!
小学校英語必修化になり、英語教育界に新しい時代がやってきています。
「英語教育」のイメージのアップデートはお済みですか?
自分の頃とは違う時代で英語を勉強していく子どもたちが心配な親御さんにぜひおすすめしたい本があります。
「世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる 英語の教科書」
著者:正頭英和
講談社出版
この本は、
・新時代の英語教育を知りたい人
・小学生からの英語が不安な人
・本物の英語力を身につけるための家庭英語学習法を知りたい人
・英語に限らず、これからの新時代の教育について学びたい人
・より良い親になるための具体的な方法を知りたい人
にぴったり!
小・中学生の英語や学習法についてだけでなく、親の関わり方も学べる「育児本」のような要素を持つ本です。
著者の紹介
この本の著者である正頭英和さんは、現役の小学校教論です。
「教育界のノーベル賞」Global Teacher Prizeのトップ10に、世界約150カ国・約3万人の中から日本人小学校教員として初めて選出されました。
英語だけではなく、ICT教育(情報通信技術)にも詳しく、AI時代・グローバル時代をテーマにした講演も多数行っています。
*ICT教育って?
(Information Communication Technology)
ICT教育とは、インターネットを介してつながったパソコンやタブレット端末を教師や生徒が活用する教育のこと。
この本との出会い
元子ども英語講師であり3児のママである私は、子どもたちがこれからどんなふうに英語を学んでいくのかとても興味がありました。
「日本の英語教育は遅れている」
「学校教育だけでは、使える英語が身につかない」
そんな声を耳にする一方で、
「1人1台タブレットを持つ時代だ」
「小学校から英語必修化スタート」
もう明らかに、私が過ごしてきた学生時代とは全く別の時代になっています。
子どもたちがこの先、どんな英語教育を受けていくのか?
親である私も、変化を理解していないといけないなぁ。
そんな中で、この本にであったのです。
「変わりゆく未来に、親が今できること。
この一冊から、子どもの未来をはじめよう。」
「子どもの未来が変わる 英語の教科書」は、新時代(AI時代)の英語教育のあり方や具体的な家庭学習法、子どもの育て方など、親として為になることが満載でした。
ここからは、
・「新英語教育」について学んだこと
・「子どもの育て方」について学んだこと
にジャンルを分けてお話ししていきますね。
「新英語教育」について学んだ3つのこと
「子どもが変わる 英語の教科書」を読んで
新時代の新しい英語教育について学んだことを3つピックアップします。
①教育は「知識」重視から「経験」重視にシフトしていく
②「本物の英語力」が身についていれば、変化を不安がる必要はない
③学校にお任せでは、英語力が身につかない理由と家庭学習の重要性
①教育は「知識」重視から「経験」重視にシフトしていく
AIが数々の職業を奪うと言われる新時代。
時代がどんどん変化しているのに、子どもたちの教育がそのままで良いわけがありません。
技術の進歩は人間の不満や問題点を次々と解決していきますが、新たなこの時代に人間に求められる力の一つに、「新たな問題や課題を発見する力」があると、著者は言います。
スマホで検索するとすぐに答えが出る時代。
それなのに、いつまでも「知識」を詰め込んで学力を測ったり、計算力ばかりを求めているのは、時代の流れにのれていないのです。
大切なのは知識で測る学力よりも、経験を生み出す行動力
「知識」は過去の情報であり、それだけを持っていてももはや意味はありません。
実際に何かアクションし、そこに知識を組み合わせることで新しい経験が生まれます。
経験=体験✖️知識 なんですね。
②「本物の英語力」が身についていれば、変化を不安がる必要はない
2020年に小学校英語必修化となり、中学校の英語の授業はオールイングリッシュ、高校入試や大学入試の英語もスピーキングやライティングも評価対象になるところが多くなり、自分の学生時代とは明らかに環境が変わったな、と感じませんか?
そして、「うちの子は大丈夫だろうか…」と心配になるのが親心。
でも、正頭さんは決して不安がることはない!と言います。
授業や試験の形式が変わっても英語であることに変わりはなく、だからこそ「本物の英語力」を日頃から意識して身に付けていればいいのです。
『じゃー、本物の英語力って一体何?』
一言で言えば、「知識」だけでなく「経験」。
受験英語は完璧。文法も完璧に読めるしわかる。
でもいざとなると外国の人とコミュニケーションが取れない。
今までは「知識」を重視する時代だったので読めればOK、リスニングができたらなおOKだったのですが、スピーキング、ライティングもできる、つまり「英語を自分のものとして運用できる力」をつけることが大切です。
③学校にお任せでは、英語力が身につかない理由と家庭学習の重要性
『なるほど、運用力が大切だからこそ、小学校でも英語が必修化されてスピーキングやライティングも重要視されたカリキュラムに変わってきているのか!
じゃあ、学校に任せておけば安心!』
ではないんですよね。
全然安心ではありません。
外国語を学ぶには長い時間が必要です。
一般的に英語を身につけるには2500〜4000時間の学習が必要だと言われています。
ではこの時間を学校の授業でどれほど補えるのか?
年間の学習時間・・・1コマ45分✖️週4コマ=140時間
実際には行事や長期休暇が入り120時間と仮定します。
120時間✖️10年(小学校3年〜高校3年まで)=1200時間
使える英語を身につけるには、学校に頼っているだけでは圧倒的に時間が足りません。
だからこそ、家庭学習の取り組みが大切になってくるのですね。
それも、「あれをしなさい!これをやりなさい!」という声かけではなく、子どもが自分から英語を学びたくなるような環境づくりや仕掛け作りが親に求められると、正頭さんは言うのです。
そして、本書では家庭でできる新時代の英語学習法を具体的に知ることができます!
もちろん、親の英語力は関係ありません。
子どもが学ぶ「環境づくり」「親の関わり方」が中心となっていて、誰でも取り組める現実的な方法がたくさん紹介されています。
「子どもの育て方」について学んだ3つのこと
次に、「子どもの育て方」について学んだ3つのことをお話しします。
①キーワードは時間 大切なのは「やめる勇気」
②3つの「出会い」で人間的魅力を育てる
③家庭で伸ばせる3つのスキル
①キーワードは時間 大切なのは「やめる勇気」
「たくさんの経験をしてほしい」
「子どもがやりたいと言ったから」
習い事を始める理由は人それぞれですが、やめどきって難しいですよね。
「せっかく始めたんだからもったいない」
「とりあえず3年は頑張ってみたら?」
つい「続ける美徳」を押し付けがちですが、今の時代「投げ出さないこと」は必ずしも美徳ではないのですね。
スピーディーな時代の変化に伴って、「時間」の価値も上がっているからです。
これは親としてもアップデートしておきたい感覚だなと思いました。
限りある時間の中、子どもが何かにチャレンジできる機会も限られます。
一度始めたからという理由で、次のチャレンジをする機会を奪ってしまう可能性があるということは、頭に入れておきたいです。
②3つの「出会い」で人間的魅力を育てる
AI時代に人間に求められる「人間的魅力」を育てるには、
・人との出会い
・本との出会い
・非日常との出会い
この3つの出会いが大切です。
人との出会い
人との出会いが大きく人生を変えることってありませんか?
多種多様な人と出会い刺激を受けると言う意味でも、英語を学ぶ価値があります。
英語が話せると、世界中の人に出会える足掛かりになりますよね。
子どもにもたくさんの人に出会ってほしい、刺激を受けてほしいと思いますが、正頭さん曰く、私たち「親」も立派な刺激になるそうですよ。
保護者が新しいチャレンジを続けて日々成長すれば、子どもは毎日新しいお父さん・お母さんに出会え、それが成長に繋がると。
確かに、一番身近な人が頑張っている姿って励みになりますよね!
本との出会い
人と出会うことは何より刺激になりますが、望んだら全員がイチローさんやスティーブ・ジョブズさんに会って話を聞けるわけではないですよね。
それを叶えてくれるのが「本」なのです。
なので本をたくさん読むことも、人生には重要。
では親として、どうアプローチしたらいいのでしょうか?
「本をたくさん読みなさい!」と言う声かけはあまりにストレートですよね。
ではどうするか。
保護者自身が熱心に本を読んでいる姿を見せることが、読書好きの子供を育てるそうです。
非日常との出会い
非日常との出会いで、子どもはたくさんの刺激を受け、好奇心をくすぐられます。
「じゃあ、週末は旅行に出かけて大自然の中で•••」
と意気込まなくてもOK!
家庭では、非日常体験を簡単に、そして日常的に味わうことができるのです。
例えば、少し遠回りをしていつもと違う道を歩いてみたり、いつもと違うスーパーに行って一緒に野菜を触って選んだり。
私自身、3人の子供との生活は、「いかにルーティーン化し頭を使わずに日常を送るか」を重要視していました。
反省です•••。(笑)
無理のない程度に、非日常を意識して、家庭でもたくさんの体験をしてもらいたいと思います。
③家庭で伸ばせる3つのスキル
未来に備えるスキルのうち、家庭でも積極的に伸ばせるのが
・疑問を逃さない思考性
・創造性
・好奇心
という3つの能力だそうです。
なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、やるべきことはシンプル。
子どもが発した疑問の答えを知っていても、すぐに教えないこと。
子どもの持つ「なんで?」「どうして?」という疑問を一緒になって調べて考えてあげることで、「疑問を逃さない思考」「好奇心」に、それがやがて「創造性」に繋がります。
一緒に調べる時に気をつけるのが、Google検索でパパっと調べてしまわないこと。
図鑑や辞書で調べることで、その周りのページにも目が向き、知的好奇心がどんどん育つそうですよ。
そして更に、答えが出たら「すごいね!どうしてそうなるのか、パパに教えてあげようよ!」と、説明の機会を作ってあげることもポイントです。
クイズ番組で「へぇ〜!そうなんだ!」と思ったことも、翌日になると「あれ?で、結局答えはなんだっけ?」とよく覚えていないことはありませんか?
人は何かを教わったり、書物で読んだりしても、翌日にはその90%を忘れてしまう傾向があるそうです!
しかし、それを誰かに説明することで定着がグンとアップするので、「誰かに説明してもらうアシストをする」ということも、親にできる大切な役割だと感じました。
まとめ
「世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる 英語の教科書」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
ここに全てを載せることはできませんが、これからの英語教育についてや、新しい時代に求められるスキルを具体的にどう伸ばしていくのか、子育て自体のヒントがたくさん詰まった本でした。Amazonでの高評価も納得です!