就活に英語力は関係ある?筆者が自身の失敗体験から言える大切なこと。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、就職活動もペースダウンし、8割の学生が現在も就活を継続している状況です。それでなくても就職活動は学生にとって人生の一大事。そこにコロナの影響がプラスされ、非常に辛い時期かもしれません。
ちなみに就活といえば、
「今の時代、良い就職のためにも英語力つけとかなきゃ」
「英語力があれば給料も高いだろうし」
と思っている学生さんや親御さんも少なからずいるのではないでしょうか?
もちろん今やグローバルに事業展開する企業が増えていますし、英語力はあるに越したことはありません。
ですが、ズバリ当時英語力があっても就活に惨敗した人間がここにいます(汗)
先日Twitterで投稿した関連ツイートに対して予想を越えた反響があり、それだけ英語力×就職に関心が高い方が多いのだと感じました。
今回は自分の過去の「恥ずかしい」経験を踏まえ、就活で自分の英語力を生かしたいと思っている方向けに記事を書いてみることにしました。
少しでも自分の経験がこれから就活をする学生さんやその親御さんの参考になることを願って…
この記事はこんなことを思っている人におすすめ!
- 英語力があれば就職に便利だよね
- そもそも英語力を活かせる職業って何?
- どの程度英語力があれば履歴書に書いていいの?
- 英語力以外に何が必要?
英語力が就職に直接関係することはない
英語講師・翻訳家・通訳士といった英語のプロになるわけではない限り、通常の就職活動で英語力そのものを評価されることはまずないというのが私の経験上の答えです。
先日たくさんの反響があったツイートがこちら。
英検1級、TOEIC950、留学経験を履歴書に書いて就活に挑んだ。「英語力凄いね。で、うちで何が出来るの?」と言われ、連続35社落ちた。悔しかった。過去の実績ではなく、「今何ができるのか」が大切なんだと気づいた。英語力は身につけて終わりではないんだと。英語力がある人が凄いのではないんだと。
— ミトママ@英語教育 (@mitomama_eigo) May 16, 2020
このツイートに対して「ここまでの英語力を身につけた努力は尊敬に値する」などありがたい励ましのコメントも多かったですが、時には「そんなの当たり前だろ」「35社も落ちる前に気付けよ」という厳しいコメントもありました(^^;)
正直恥ずかしい過去です。ですがここまで反響があったということは、それだけ今このグローバル時代に「英語力とどう向き合うか」が問われており、多くの人が関心を寄せている話題であるということがわかります。
数々のコメント頂きましたが、正直140字のツイートでは伝えきれない当時の就活の状況や背景があります。今回は当時私が就活していた時代の背景や「なぜ英語力のある自分が就活に惨敗したのか」という理由を分析してみたいと思います。
そして、自分のように「英語力はあるのに、それを就活で生かせない」学生さんや社会人の方が増えないようにしたいのがこの記事に込める思いです。
当時の就活背景
私は4年制の総合大学2010年卒の新卒として、就職活動をしました。
世界的金融危機やリーマンショックの影響で、前年までの「売り手市場」が一転してしまっていた状況ではありました。
売り手市場だった頃に就活をしていた先輩の就活体験談を間に受けて、「自分もイケるだろう」と思い込んでしまっていた甘い部分もあったと思います。受けた会社も職種問わず、海外事業を行っている大手メーカーや商社ばかりでした。
とはいえ、「就職氷河期だったから自分は失敗したんだ」とは微塵も思ってないんです。なぜなら、同じ年に就活をしていた同じ大学の同級生たちは、私が目指していたような会社に次々と内定をもらっていたから。
要は時代に関係なく、受かる人は受かるということ。時代に左右されてしまっていた時点で、当時の私は圧倒的に力不足だったんだと思います。
英語力をアピールして面接したのか?
上記のツイートを見ると、私が英語力を面接でもアピールしていたようにも捉えられるんですが、実際は履歴書には書いたものの、面接で自分から英語力のことをアピールしたことはなかったんです。まあ、多かれ少なかれアピール材料になると思っていたのは事実ですが…
ですが、当時気付いていなかったのはこの英語力を履歴書に書いた時点で面接官が良い意味でも悪い意味でも食いついてくるということ。
「うちの会社はここまでの英語力必要ないんだけど、他に何ができるの?」
「英語力あっても、海外支社にでも行かない限り、英語使うことあんまりないよ」
など、必ずといって良いほど英語力と結びつけて、面接での会話が進んでいきます。
英語力が高ければ高いほど、英語力のことは面接で必ず突っ込まれる前提でいなければいけません。当時の私に足りなかったのは、英語以外で自分が持っている武器を面接で伝える力。要は+αですね。
この+αは正直なんでもいいと思います。
- その会社で貢献できそうな自分の性格面での強み
- 英語以外に身につけてきた専門スキル(その会社で活かせること)
- その会社に入りたいという誰にも負けない強い熱意
要は「この人には英語だけではない魅力がある」と思ってもらうことが重要。
高い英語力を身につけるには相当な努力が要りますし、だからこそ英語力がある時点で「努力ができる人だ」という見方もできるとは思います。なので英語力がマイナスになることはないです。
ただ、今は英語力はあって当たり前になりつつある時代。
早期英語教育がますます盛んになる今、尚更英語力は標準装備としてほとんどの会社で必要なものになると思うので、+αが非常に大切ということですね。
英語力が就活にもたらすメリット
上記で、英語力だけではアピールにならないとお伝えしましたが、実際英語力があれば就活で非常に有利。英語力があると得するメリットを3つご紹介します。
1. 仕事や会社の選択肢が大幅に広がる
英語力があれば何かしら有利になるというのは、ほとんどの方がお分かりかと思いますが、その一番のメリットが選択肢が増えるということだと思います。
「海外で働いてみたい」
「商社マンとして世界中を飛び回りたい」
「貿易事務をやってみたい」
「航空会社で働きたい」
「外資系で働きたい」
とにかくこれから就職しようとする人がやってみたいと思うようなありとあらゆる仕事には、必ずといっていいほど英語が絡んできます。
やっとやりたいことが見つかった時に、英語力がないから諦めるというのが一番悔しい結果。
そんなことがないように、英語力なんていらないという選択肢はないと断言できます。
2. 英語力=努力をして勝ち得たものと捉えられる
面接官だって、みんながみんな英語堪能な人ばかりではないですよね。
そして、「英語は身につけるのが大変」と日本人なら痛いほどわかっているはず。
それなりの英語力を持っている時点で、少なくとも高い英語力を習得するまでに必要な時間と労力をかけてきた=努力を継続できる人とみなしてもらえる可能性が高いです。
3. 自信を持って就活に臨める
全ての学生が英語力が高いわけではないので、その中で高い英語力を持って就活に臨めることは大きな自信になります。
ですが、ここで気をつけなければいけないのが過去の私のように「英語力があれば評価してもらえる」「過去の努力は認められるはずだ」と決して思い込まないこと。
英語力は面接官に自慢するものではなく、あくまでその会社での仕事をする上で貢献できるツールでしかない、ということを忘れてはいけません。
英語力があることによるデメリット
デメリットというとなんだかマイナスなイメージを持たれてしまいそうですが、英語力があるからこそ過去の私のようにならないように気をつけなければいけないポイントがあります。ここで伝えておきたいことは1つ。
英語力が高ければ高いほど、それ以外の能力を問われる
私の経験上、グローバル展開している企業の場合、英語力の高い人材は喉から手が出るほど欲しいということはわかっています。(10年以上前の話なので、今は英語力高い学生がうようよいて、当たり前なのかもしれませんが)
ですが、それと同時に英語力が高い人に対しては面接官も少し構えるというか、「英語力だけ高いだけの無能な人材かもしれない」という前提で質問されたりすることが多いです(汗)
そんなときに、英語の勉強で培ってきた精神力をアピールするでもよし、全く別分野で自分なりに成し遂げてきたことをアピールするでもよし。とにかく「英語力」という枠から出て、自分という一人の人間を伝えることが重要です。
英語力が活かせる職業
ここら辺で英語力が活かせる職業についても触れておきたいと思います。
- 旅行代理店スタッフ
- システムエンジニア
- 空港のグランドスタッフ
- 貿易事務・英文事務
- 海外営業
- キャビンアテンダント(客室乗務員)
- 英語講師
- パイロット
- バイヤー
- 通訳案内士
- 翻訳家
- 国連の職員
職業の内容や英語レベルなどの解説まで詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください(^^)
履歴書に書いていい英語レベルってどのくらい?
受けようとしている企業がどの程度の英語力を必要としているかによって、履歴書に書くべき英検やTOEICなどの英語資格は異なります。
例えば通訳になりたいのに履歴書に英検2級なんて書いたら恐らく相手にされませんが、少し会社で英文書類を扱う程度であれば英検2級と書いてあることで評価されるケースもあると思います。
ただ少なくともどの企業であっても履歴書に書く英語資格は英検2級以上、TOEIC600以上が必須。英検3級を持っていても正直アピールにはならないということですね。厳しいようですが(^^;)
一般的な日本企業
やはり英検2級、TOEIC600以上が必要。ある程度のビジネス英語には対応できると判断されます。
積極的にグローバル展開している日本企業
出来れば英検準1級、TOEIC700以上あると有利。これだけの英語力があれば海外事業に携われる可能性も上がります。(もちろん英語だけではダメですよ〜)
外資系企業
英検1級とまでいかなくとも、TOEIC800以上は最低限必要。メールでのやり取りだけであれば外資系でもそこまでの英語力は求められませんが、国際会議や電話のやり取りが多い場合は高い英語力が必要です。
通訳・翻訳・英語講師などのプロ
英検1級、TOEIC900以上はざらにいる世界。これにプラスし、通訳をやりたいのであれば通訳案内士の資格が必要だったり、英語講師であれば英語指導に関する資格があると有利になります。
就活では英語+αをアピールしよう
最後になりますが、英語力だけには自信があった私もリーマンショック直後の就活で35社連続で落ち、大きな挫折を味わいました。
あの頃はやることなすこと全てが裏目に出て、これまでの人生自体を否定されているかのようで、本当に辛かったです。(切実)
今もコロナショックとも呼ばれる新型コロナウイルスの影響により、就職活動は非常に厳しいものになる予感がしています。
過去の苦い経験を経て、私がこの記事で伝えたいこと。
英語力は単なるツールであり面接での評価材料にはならない。
自分が持つ英語以外の+αの魅力を自分を本当に必要としてくれる企業にアピールすることが大切。
特に今就活をしていたり、これから始める学生さんには就活は人生の通過点でしかないこと、どんな結果になっても必ず先に道は開けるということを忘れないでいてほしいです(^^)
おまけ:35社連続で落ちた筆者のその後
興味のある方だけ読んでいただければいい部分なので、おまけにしました(^^)
結局、最終的に内定をもらったたった1つの会社は某大手英会話スクールでした。募集職種は運営スタッフと英語講師がありましたが、その時は指導者にはそこまで興味がなかったので運営スタッフとしての職種を希望。
面接では「英語講師には興味ないの?」と何度も聞かれていたので、今思えばやはり私は英語講師向きと判断されていたのかもしれません。
結局、運営スタッフの仕事をしながらも、ふつふつと沸き始めていた「子供英語講師になりたい」という願いを叶えるために1年程度で退職。子供専門で教えられる英語教室に転職したという経緯があります。
その後は子供向けのオンライン英会話スクールでも働くなど、結局最初から最後まで英語教育関連の仕事に携わってきています。
当時の就活を思い出すと、あの時はただがむしゃらに「内定」を取るために頑張っていただけだったのかもしれないな〜と感じます。
就活中は本当に自分が向いていることややりたいことが見つかっていなかっただけかなと。方向性が違ったからこそほとんどの企業にも必要とされなかっただけかなと。(楽観的すぎるかもしれませんが)
最終的には自分が必要な場所、自分を必要としてくれる場所に最終的にはたどり着くんだなと感じています(^^)