【高校生の留学】特徴は?長期留学のメリットも解説。

今文部科学省も積極的に高校生の留学を推進する取り組みを行っています。最近では松嶋菜々子さんが女優を休業して高校生の娘さんのイギリス留学に同伴するというニュースもありました。
私は高校1年の時にアメリカに1年間留学をしましたが、高校生だったからこそ得るものが非常に大きかったと身をもって経験しました。確実に人生観が変わりました。
『我が子に留学はさせるべきなの?』『留学させるとしても高校生で行かせるのは少し不安』などお子さんの留学に少しでも興味・関心がある親御さんには是非読んでいただきたい記事です。


そもそも長期留学ってするべきなの?

長期留学とは一般的には半年〜1年間以上、海外で生活をすること

今まで一度も海外に行ったことがなかったり、行ったとしても旅行の数日程度という場合は長期留学ってなかなかハードルが高いですよね。ましてや学生であれば普段は学校がありますし、社会人であれば仕事があるので長期間日本を留守にするためには相当な覚悟と事前調整が必要になってきます。

逆に春休みや夏休み期間に1週間〜1ヶ月間海外に滞在することを短期留学といいます。それくらいなら高校生になれば海外旅行の延長といった感じで比較的実行しやすいかもしれません。

短期留学でも、英語の面で言えばリスニング力は十分鍛えられますし、良い経験になります。ですが本人が本気で『英語力を伸ばしたい』『世界を見て視野を広げたい』と思うなら長期留学が人生を変えるレベルで影響力が大きいのはたしかです。

私は高校1年の時に初めてアメリカの現地校に1年間留学をし、その後大学でもさらに1年間アメリカの現地の大学で留学をしました。おまけに1ヶ月間中国語を学ぶために北京に短期留学をしたこともあるので短期留学、高校での長期留学、大学での長期留学の良し悪し全て体験済みです。

今回はそんな自分の経験も踏まえ、お子さんの留学を意識されている親御さんに向けてお話ししていきますね。ただ留学って別にしなくても特に問題はありませんよね。留学する人の方がまだまだ少数派です。言ってみれば普段の教育にちょっとスパイスを加えるというイメージ。

なのでこの記事は『留学は絶対にするべきですよ』とおすすめするためのものではなく、あくまで『留学をするとこんな良いことがあるんだ』とまずは知ってもらうことから始めてもらおうと思い書いています(^^)

留学には本人の意思が一番大切!

短期留学にせよ、長期留学にせよ行くにはそれなりの覚悟が必要。一番大切なことは本人が自ら留学をする決断をすることです。それも親が『留学行ったら?』と言って、本人が『じゃあ、そうしようかな』レベルでは十分ではありません。自分から『留学したい』と言い出すくらい本人の意思がある程度強いことが大切です。

留学にも語学、音楽、スポーツなどいろいろな目的があります。恐らくこの記事を読んでいる方の多くは英語力向上が主な目的で留学を検討していると思うので、その前提で話を進めていきますね。

私の話になりますが、私は小学校高学年の時に通い始めた英語塾で英語が好きになり、英語を学ぶ中でアメリカという大きな国があるんだということを知り、留学をすればアメリカに行けるということを先生から教えてもらったことがきっかけで留学を決意しました。

小学校高学年の頃には『いつか留学したい』と心に決めていました。この辺は親は全くノータッチです。そして中学生になり『高校生になると交換留学生としてアメリカに留学出来る』ということを知ったので、親に自分から『留学をしたい』と言いました。

最初は父は大反対。父も仕事柄英語が必要なのでそこそこの英語力があるんですが、父は留学などはせず日本で独学で英語を勉強しました。なので『英語が話せるようになりたい』だけなら日本でも十分実現可能だと言われたんです。

でも私の中で『英語が話せるようになりたい』という理由以外にとにかく『アメリカで生活をしてみたい』という思いがありました。まだ小学生、中学生くらいなのでもちろん単なるアメリカへの憧れみたいなものだったとは思いますが(笑)そんな思いを伝えると、父は『そういうことなら行っていい』と言ってくれました。

実際の留学生活は私が思い描いていたアメリカでの華やかな生活とは全く違い、この記事では書ききれないほど波乱万丈でした(笑)ですが自分から行きたいと言ったという意地が多少なりともあったので音を上げず1年間最後までなんとか頑張りました。

どんな苦労があっても最後まで乗り越えられたのはこの留学が自分の意思で決めたことだったからだと思います。もし親に『留学してみたら?』と言われてなんとなく決めた留学だったら早々に帰国していたかもしれません(笑)

本人の意思が大事なら自然に任せるしかないの?

本人が自分から『留学したい』と言い出すまで親は待つだけ?いいえ、そんなことはありません。

私の場合はたまたま親は関係なく自分から自然と留学に興味を持ち始めましたが、今の時代は自ら率先して子供の将来について考え行動する意識の高い親御さんが増えています。『出来れば我が子の将来のために留学をさせたい』と思っていても、どうやって本人に留学に興味を持ってもらえればいいのかよくわかりませんよね。

留学に限らず、子供に少しでも海外に目を向け、文化や価値観の違いを受け入れ、グローバルな視点を持つ人間になってもらうために今から親が出来る意識付けはたくさんあります

ポイントは自発的に『留学したい』と本人に思わせることなので、最初のきっかけは親が与えてあげて問題ありません。完全にレールを敷くのではなく、最終的には子供が自分でレールを敷けるように下準備をしてあげるというイメージです。

一緒に海外旅行に行って少しでも現地の生活に興味を持ってもらうことも可能ですし、『留学をすると海外の友達が出来たり、日本では経験できない楽しいイベントもたくさんあるみたいね。』など日頃から少しずつ留学を意識させるような言葉かけは出来ます。

国内で外国人と触れ合う機会を設ける

例えば英語系のイベントに足を運んでみたり、オンライン英会話や英語教室で外国人の先生に英語を教わってみるなど日本にいながら外国人と触れ合える機会は意外とたくさんあります。

ここでのポイントは英語に触れるというだけではなく、外国人と話す機会を設けるということ。些細なことでも『こんなところが日本と違うんだ』と自分自身で発見するという経験の積み重ねが海外への好奇心が高まるきっかけになります

※オンライン英会話に興味がある方はこちらの記事もチェックしてみてください。

家族で海外に行く

実際に海外に行くことで現地の雰囲気、匂い、人を五感で感じることが出来ます。これは国内では絶対に感じ得ない感覚です。

もちろん海外に行くというのは時間もお金もかかりますので、そう簡単なことではないと思います。ですがもし毎年1週間くらいは家族旅行に行っているなど、既に家族旅行が恒例行事になっている場合は3回のうち1回でもいいので旅先に海外を選択してみるといつもと違った体験が出来るはずです。小さい頃から外の世界を見るという経験は大人になってから行く海外とは全く違いますので一生の宝になります

私も実際小学生の頃に何度か家族旅行で海外に行ったことがあったのもあり、留学を決めるだいぶ前から海外に行くことに対しての抵抗は少なかったかもしれません。

あくまで自然と『留学という選択肢もあるんだよ』ということを知ってもらうことが大切。
ただ、最終的に決めるのは子供自身なので、結果的に留学に興味を持たなかったとしてもそれはそのお子さんにとって留学がそこまで必要と感じなかったからなのでそれは全面的に受け入れましょう。こういったこともお子さんの将来を思っての行動だと思うので、ゴールを『留学させる』ことにしないように気をつけましょうね(^^)

高校生での留学。どんな特徴があるの?

短期留学であれば今はプチ親子留学も流行っていますので小さな子供でも親と一緒なら可能ですよね。

※プチ親子留学に興味がある方はこちらの記事もチェックしてみてください。

ですが半年以上の長期留学となるとやはり高校生以上でないと一人で行くというのは難しいかもしれません。なので長期留学は高校生か大学生の頃に行くのが一般的です。

今回は高校生で留学するということがどんなことなのか、詳しく解説していきます。

留学協会を通しての交換留学が一般的

高校生で留学をする際もっともメジャーなのは、留学を斡旋している団体に申し込みをして、その団体を通して留学をするという方法です。いわゆる交換留学です。現地の学校に地元の学生と一緒に通い、その授業料などがほとんど免除されるという特徴があります。私は最初は交換留学は自分が海外に行って、その代わりに海外から日本に留学生が来るというまさに交換留学だと思っていました。ですが実際には国同士が学生を交換しあうということではないです(^^)

自分が通う高校自体に留学制度があればそれを使わない手はないです。そもそも高校を通して留学が出来れば自分で留学団体を探して申し込む必要もなかったですし、もっとその後の引き継ぎが楽だっただろうなとは思います。

早めに留学を検討している場合は進路を決める際にそういった留学制度がある高校を選ぶというのも選択肢の一つですね。

生活はホームステイが主流

大学生の場合、もう成人していることも多いので大学の寮やアパートに一人暮らしをするケースも多いです。

ですが高校生の場合はまだ未成年ですし、高校にはあまり寮などの施設は整っていないことがほとんどなので基本的にはホームステイです。ホストファミリーの決まり方は申し込む留学団体によって異なります。私の場合は、たくさんの留学を希望している日本人の高校生が自分の家族の自己紹介カードを作って複数のホストファミリー候補宛に見てもらい、選ばれた人からホームステイ先に行くという方式でした。

なので実際に家のドアをノックして会うまでどんな家族なのかはわからないというちょっと不思議な制度でしたね。

ホームステイは初めて会った人達と一つ屋根の下で家族同然に一緒に暮らしていくので、良い家族と出会えるかどうかで一生に一度の留学生活の質が決まると言っても過言ではありません。私の場合、ちょっと最初の半年間なかなか独特なホストマザー(一人でした)に受け入れてもらいましたが事情がありホストファミリーを変えざるを得なかったという経験をしました。でも大変なことも全てあの時しか出来ない自分にとってプラスの経験だったと思います。

若い時の苦労は買ってでもしろ』とはまさにこのこと。買う価値のある苦労でした。帰国後はちょっとやそっとのことではへこたれない図太い精神が出来上がっていました(^^)

ホームステイは海外旅行では決して出来ない本当に貴重な経験です。留学しなければ出会うはずもなかった現地の家族と生活を共にするわけなので、常に驚きの連続。その驚きや刺激を楽しめるのは若いからこそです。

こちらも気を遣って大変ですがホストファミリーになる側も急に異国の学生のお世話をしなくてはいけなくなるので大変ですよね。そんな大変な思いをしてでも留学生を受け入れてくれた人たちなので基本的には温かくて情に溢れる家族ばかりです。

留学先によっては日本人が少ない=チャンス!

大学生の留学に比べると、高校生の留学は現地で日本人と交流する機会は圧倒的に少ないです。なぜならそもそも長期留学をする学生は大学生の方が多いですし、高校の場合はほとんどが世界的に名が知られているわけではない現地の高校なので日本人はかなりの確率でばらけます

ただ例えば同じアメリカでのどの州に行くかによってもだいぶ環境は変わります。例えばアメリカのカリフォルニア州など有名で人気なエリアであれば、現地駐在の日本人家族も多いですし、観光客もいます。日本人学校もあるので学校だけではなく街中で日本人に遭遇することは非常に多いと思います。

ですが私が行ったオハイオ州のような観光ではあまり行かない(笑)ような地域だと日本人はまずいないです。実際私も1年間留学をしていて日本人に会ったのは1、2回でした。私の場合、選んでくれたホストファミリーが住む州に行く必要があったので場所は一切選べませんでした。ですがもしエリアを選べるとしてももう一度オハイオ州のような日本人がいないエリアを選びますね。一生に一度の貴重な1年間です。留学中にわざわざ日本語を話す日本人と友達になる必要は全くないですし、周りに日本人がいない方が英語力は確実に伸びます。自分の知らない世界の人たちと積極的に関わることが大切です。

高校生ならではの素直さが活きる

中学を卒業したばかりの高校生はとにかくフレッシュです(^^)

留学生活が始まると、まず英語の壁にぶつかりますし、生活環境の違いも一つずつ受け入れて順応していくしかありません。大人になってからそんな環境に身を置くのって結構しんどいですよね(笑)

私も今やれと言われても正直やりたくありません。ですが、あの頃は見るもの感じるもの全てが新鮮でしたし、苦労も話のタネになると思い楽しめていた自分がいました(笑)

そういう純粋さは英語力の向上にも一役買います。なんでも『伝えたい』という一心で辞書で調べて一生懸命話そうとしましたし、本当にただ単にそういう毎日の積み重ねによって帰国後初めて受けたTOEICではテスト対策なしで700点を超えることが出来ていました


文部科学省公式の留学情報サイト トビタテ!留学JAPAN

※トビタテ!公式サイトスクリーンショット

文部科学省はトビタテ!留学JAPANというプログラムで、留学生向けの返済不要の奨学金制度を導入しています

いかに国全体で留学を推しているかがわかりますね。高校生向け、大学生向け、保護者向け、教員向けにそれぞれ有益な留学に関する情報を配信しています。

今や留学が『普通』になってきていると実感させてくれるサイトです。私が初めて留学をしたのは17年前ですが、確実にその頃とは留学の立ち位置は変わってきていますね。今は周りのバックアップがとても心強い時代です。

まとめ

高校生で留学をすることの意味、意義がおわかりいただけたでしょうか?

高校に入ると部活に精を出す学生もたくさんいるので、留学よりも優先するべきことが人それぞれ出てくるとは思います。部活も青春時代の大切な経験ですし、それこそ部活で人生観が変わることもあります。なのでここでは決して『高校で絶対に留学をするべき』と言っているわけではありません!

あくまでもし高校生での留学に興味があるのであれば、私の経験から感じて、知ったことを少しでもお伝えしておきたかったので記事にしてみました(^^)

あの頃の留学がなかったら今の私はありません。それくらい高校生での留学は人生の一大事でした。とにかく視野が圧倒的に広がります。国境も、性別も、文化もそういう違いを受け入れて尊重し合うことの大切さを知ります。その価値観は確実に帰国後の人生に活きてきます。なのでもしお子さん本人が留学に興味を示しているのであれば是非出来る限りの応援をしてあげてほしいと心から願います


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