【訛り・方言】は英語にもある! 地域ごとの発音の特徴を紹介

調べ始めたら止まらない!? 楽しすぎる英語の「訛りと方言」の話

「習うなら、やっぱり訛りのないキレイな英語よね!」

そう思って英語学習を始める方は多いのではないでしょうか。

今回は、多くの英語学習者が気になっている英語の「訛り」や「方言」について紹介していきます。

英語の訛りって奥が深いというか、調べていくととっても面白いんです!

各地の英語をなるべく分かりやすい動画つきで紹介していきますので、都度再生しながら読んでみてくださいね。


英語の訛り・方言とは

「訛り」は英語でaccent、「方言」はdialectと言います。

まずは「訛り」と「方言」の定義や、「そもそも訛りとは? 標準語とは?」というあたりを確認しましょう。あまり深く突っ込むと言語学上の話に発展してしまうので、ざっくりでOKです。

「訛り」と「方言」の違い

ひとまず英語ではなく日本語で、関西弁を想像すると分かりやすいと思います。

同じ単語でも「音の強弱の付け方が微妙に違う」ということがありますね。
例えば「ありがとう」という言葉、関東では「→→→→↓」と発音するのが一般的ですが、関西では語尾を上げ下げして「→→→↑↓」と発音します。これが訛り(accent)です。

また、この「ありがとう」を関西の方は「おおきに」と言うこともあります。ありがとうの「あ」の字もない、全く違う言い回しです。これが方言(dialect)です。

全部ひっくるめて「訛り」と言うこともありますが、基本的には訛りは「音」を、方言は「単語や言い回し」を指す、というイメージでいいと思います。

そして、英語の accent / dialect も同じように区別されます。

英語の標準語ってあるの?

日本という小さな国の中でも、関西・関東だけでかなりの差があります。英語を話す国、つまり英語圏はもっともっと広く、その分訛りや方言も種類が豊富です。

一応、CNNのアナウンサーが話す「General American」という標準語っぽいものはあります。ですが、日本語の「理想的である」というニュアンスを含む「標準語」にあたるものは英語には無いと思った方が無難です

アメリカ国内だけでも「西部の英語」「南部の英語」というように異なってきます。
ニューヨークに住む人は「New York Accent」で、テキサスに住む人は「Texas Accent」で話しています。アメリカ……というか英語圏は広すぎるので、各地で訛りや方言があるのが普通で、「これが標準だ」なんて言ってられないのです

General Americanについても、深く議論していくとおもしろいですよ。

アメリカ英語にも訛りがある

まずはアメリカ国内の英語です。大体このような感じで「西部」「中西部」「北東部」「南部」と4つに分けられることが多いです。

基本的には日本で教えられる英語はアメリカ英語なので、あまりびっくりするような言い回し(方言)は多くないと思いますが、アクセントの方にも注意して動画を見てみてください。あなたの知っている英語とは微妙に違う感じがするかもしれません。

YouTubeで「Accent Tag」と検索すると、様々な地域の人たちが「同じ英単語のリストを言う」動画を見ることができます。単語の他にも「コレってなんて呼ぶ?」といった質問に答えています。

リストを読み上げる前の自己紹介部分も、すでに各地の特徴が出ていていいなと思います。

西部・中西部の英語

では、早速聞いてみましょう。

こちらはカリフォルニアの英語です。

アメリカ西部にあるカリフォルニアや、西部の地域……つまりハリウッド映画に出てくるような英語が、比較的日本人にもなじみのある「聞き取りやすい英語」だと言われています。

こちらの動画の英語も、よく聞く感じの英語だな~と思う方が多いのではないでしょうか。

北東部の英語

北東部ではどうでしょうか?

ニューヨークの方の英語です。
前半は普通に単語のリストを読み上げていますが、後半で「ニューヨーカーっぽく読むね!」と言って強調して読み上げてくれます。なんだかこう、ウォウウォウみたいな感じがすると思います。

ニューヨーカーの英語は、基本的にスピードが速いと言われています。都会の人は歩くのも話すのも早いというのは、どこの国でも同じなんでしょうかね~。

南部の英語

次は南部です。

こちらはアラバマの方です。

「炭酸飲料」のことは「ソーダ」ではなく「ソフトドリンク」や「コーク」と呼ぶそうですね。


もうひとつ、同じく南部のテネシーの方の動画も紹介します。

こちらの方も炭酸飲料は「コーク」だそうですね。

イギリス英語は日本人には聞き取りやすい?

続いて、イギリス英語です。

イギリス英語とアメリカ英語の違いは結構有名で、アクセントの方で言えば

  • イギリスはRの発音が弱め
  • イギリスはTをはっきり発音する

……といった特徴があります。

「(日本ではアメリカ英語を教えているので)イギリス英語は難しい」と言う人もいますが、上記のような特徴から、イギリス英語の方が聞き取りやすいという人もいます。私も、イギリス英語の方が聞き取りやすいと感じます。

表現の違いで言えば、「chips(チップス)」というとイギリスではフライドポテトを指します。アメリカだとchipsはポテチです。

また、同じイギリスでも「ウェールズ訛り」「スコットランド訛り」というものがあります。

イギリス(ロンドン)の方のAccent Tagも見てみましょう!

アメリカの方の動画と比べると、やはりなんとなくRの音が少ないような気がしませんか?
「Caramel」も「キャラメル」というよりは「カラメル」と聞こえますね(1:34あたり)

日本でも有名な映画、「ハリーポッター」もイギリス英語なので、興味があったら英語で見てみてください。


その他の英語圏の訛り・独特の言い回し

その他の英語圏の英語も聞いてみましょう!

オーストラリアの訛り

留学先として人気の国の一つ、オーストラリアです。

オーストラリアではAをアイと発音する、というのが有名なのではないかと思います。「day」をダイと読むとかですね。

高校生の頃、友人がオーストラリアに留学して帰ってきた際、「ほんとにダイとか言うの?」と聞いたことがあります。言うそうです。正直、「日本人はみんな刀持って歩いてるよ」的な話だと思っていたので衝撃でした。

ただ、これもやはり地域や年代によるんだと思います。以下の動画を見てみてください。

「G’DAY(グッダイ / Good Dayの略)」なんて言うのは50歳以上じゃないかな、と言っていますね。ですが、コメントには「50歳未満だけど言うよ」というものもあります。

オーストラリアの英語は「Aussie English(オージーイングリッシュ)」と呼ばれています。
例えばバーベキューのこともBarbie(バービー)と言うなど、語尾を「-ie」にしてしまうものが多いです。なので、AustraliaもAussie(オージー)になります。なんだかカワイイですね~。

ニュージーランドの訛り

ニュージーランドはイギリス領だったため、イギリス英語がベースになっています。早速動画を見てみましょう。

やはりイギリス英語に近い印象を受けました。

ただ、ニュージーランドでは先住民であるマオリ族のマオリ語も公用語です。マオリの人の英語ではちょっと違うアクセントを聞けると思います。

私はニュージーランドでホームステイをしたことがあります。
ずっと日本で英語を勉強していたので、「(アメリカでは)トイレはtoiletじゃなくてbathroomだよ」と教わっていました。でも、ステイ先の5歳くらいの子に「なんで君はトイレのことbathroomっていうの? あそこはお風呂じゃなくてtoiletだよ」と言われ、「これが土地による違いか」と、なんだか衝撃を受けたのをよく覚えています。

英語圏以外での英語の訛り

次は英語圏以外の方たちの話す英語も聞いてみましょう!

イタリアの英語

まずは特徴的な、イタリアのAccent Tagです。

この動画では、男性が英語らしく頑張って読み上げていて、右側の女性がイタリア語風に単語を読み上げています。

さすがというか、全体的にめちゃくちゃ舌を巻いて喋ってきますね!

イタリアの方の英語は、いわゆる日本のカタカナ英語に近く、聞き取りやすいと言われています。実際、そんな感じがしませんか?

また、注目してほしいのが2:04あたりで読み上げる「What is it called when you throw toilet paper on a house?」の「house」の発音です。「ハウス」ではなく、「アウス」に聞こえませんか?

イタリア語では「H」という文字は発音しないものなのです。なので、英語でHがあっても発音しないというか、できない人も多いそうです。

日本語にはapple等の「æ」の発音が無いから、発音できなくて困っている人が多いのとちょっと似ていませんか?

フランスの英語

続いて、フランスの方の英語です。

フランス語の、なんというかカシュカシュした音が残っている感じがしますね!
独特のリズムもおもしろいですね~!

ドイツの英語

次はドイツの方の英語です。

イタリアの方ほどRの発音は強くはありませんが、聞き取りやすさは近いものを感じます。

英語の訛りは様々

異なる国・地域の英語をご紹介しました。後半になればなるほど、「訛り」って何だっけ……? という不思議な気持ちになったのではないでしょうか?

「訛りの無い英語を話せるようになりたい」
「日本人の発音はカッコ悪くて恥ずかしい……」

英語学習中のあなたは、もしかしたら一度はそんな風に考えたことがあるかもしれません。

でも、実は英語を話す人の約80%が非ネイティブなんです。たった20%しかいないネイティブの人たちも、この記事で紹介したように色々な英語を話します。

アレコレ悩んでいるのがどうでもよくなってきませんか? むしろ、「ドイツ語訛りの英語カッコイイ! あれを目指そう!」とか思えてきませんか?

ちなみに、日本訛りの英語は「サムライアクセント」とも呼ばれているらしいです。この呼び名は私も今回初めて知りましたが、「日本人の英語って、とってもキュート!」という人には結構会ったことがあります。

大切なのは堂々としていることです。自信をもって、自分の英語をたくさん話しましょう!


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